弊社小佐野店では、薬学部五年生の今年度実務実習を受け入れております。なかた塾第36回は、実務実習生特別講座を企画し実施したしました。講座名を「いま、薬学生が学び考え気づいておきたいこと!」としました。さらに「薬学履修者としての将来のあり方とその道筋の本質的基盤・土台を考える」というサブタイトルをつけて、考える内容が事前にイメージできるように工夫しました。
全4時間のレクチャーの中から、ポイントを中心に報告させて頂きます。
狙いを二つに絞って、問題意識を持つこと、自分で調べること、考えて結論を出すこと、行動してみること、そして、医療人になる覚悟をすることこそが、学生時代に身につけなければならない必須要件であることを気づいてもらうこと、を一番の目的としました。
①薬剤師を目指している皆さんが、学生時代から問題意識を持って、覚悟をして取り組むための着眼点と教育課題を明確にする。
②自己責任意識で就職活動を行ない、併せて、薬剤師国家試験合格を勝ち取る。
その上で、五つの事前課題に対する回答から、現状の問題意識や本人自身が考えている課題を明らかにすることからスタートしました。
事前課題は、以下の通りです。
Q1:薬学部を受験しようと決めた理由やきっかけは何でしたか?(なぜ、薬学部か?)
薬学部でも在籍の大学を選択した理由は、何でしたか?(なぜ、○○大か?)
Q2:四年半薬学を学んできました。また薬学部卒業者や薬剤師から直接見聞きして感じたことは、どのようなことでしょう。これからの薬学部出身者、薬剤師のあり方や方向は、どうあればいいと考えていますか?
Q3:現時点で、社会に出たら、どのような仕事をしたいと考えていますか?
なりたい人間像、理想とする薬剤師像を、どのように描いていますか?
Q4:調剤薬局での実務実習を体験して気づいたことに、どのようなことがありますか?問題と感じたこと、疑問に感じたことはありますか?
Q5:これから一年半、あなた自身の教育課題(特に学び、身につけておかなければならないと感じている知識、技能、態度など)を、どのように捉えていますか?在るとしたら、どのようにして実現するか、具体的計画を立てていますか?
その後は、以下の順で、本人の考えを引き出す対話形式で進めました。
1.薬剤師有資格者、薬学部卒業者の職業いろいろ
Q6:薬剤師が考案した有名な商品(飲み物、食べ物)は何でしょうか?
Q7:知っている薬剤師の著名人をあげてみましょう。
Q8:大人になったらなりたい職業ベストテン入りの職業を三つあげてみましょう。
薬剤師は、何番目くらいに入ると思いますか。
Q9:Q6~Q8の三つの問いの回答から、何か気づいたことはありませんか?
どのようなことでも構いません。
この単元では、そろそろ将来の進路を考える準備をして欲しいことを強調しました。しかし、現実の薬学生を観察すれば甘いと感じることから、いくつかの問題提起を行ないました。そして、次の単元へと進めました。
2.薬学生が、いまこそ(在学中に)学ばなければならない本質的な教育テーマは何か?
いまこの時期、明確にしておかなければならない着眼点は何か?
3.イーハトーブの薬剤師の卵“more、most”キャンペーン
(1)はじめに
(2)イーハトーブの薬剤師の卵“more、most”キャンペーン
(3)まとめ
4.レポート作成
(1)私はこんな薬剤師になりたい(私の志す具体的薬剤師像)
(2)調剤業務の中で、何が一番大切だと感じましたか
最後に、まとめとして次のような私見を申しあげました。
『多くの先輩(薬剤師、医療従事者、患者など。様々な年齢層)と対話をして、情報収集することです。そして自らの五感で観察し、傾聴し、考えて、判断し、意思決定しましょう。自己責任で意思決定したことが正答になるのです。』