第16回釜石医師会学術講演会

投稿日:2013年3月19日 研修会


日時:平成25年3月13日(水)  18:30~
特別講演:「線維筋痛症のマネージメント」
演者 東京医科大学八王子医療センター
    リウマチ性疾患治療センター  教授 岡 寛 先生
座長 釜石ファミリークリニック     内科 阿部 守雄 先生

今回の講演会は線維筋痛症( FM:fibromyalgia )がテーマでした。
FMとは、全身や身体の一部に慢性的な痛みを生じる疾患です。
軽い刺激でも激しい痛みを感じる患者さんもいます。
日本でも推定患者数は約200万人とされ、本来ならば働ける人が失職し、
全体として1~2兆円の損失があるのではないか、という説もあるようです。
FMは個人のキャラクターにも左右され、几帳面、完璧性、悲観的といった
人に多い傾向があるというのは興味深かったです。

FMの原因や発症のメカニズムについては、まだよくわかっていないのですが、
脳の中枢神経系において、痛み信号を抑える機能が破綻、さらに痛み信号を
伝える機能が亢進することにより起こると考えられています。

岡先生は、FMの治療は短期間での劇的な痛み改善を目標とするのではなく、
段階を追って進めることが重要と強調されていました。
まずは痛みから生じる怒り、後悔などのマイナス感情を是正し、治療に対して
前向きな姿勢にならないと、薬物療法の効果をうまく引き出せない、ということでした。
こういった背景があることを頭に入れながら、患者さんが治療を続けていけるように、
薬の効果や副作用チェックはもちろんのこと、精神面に対するサポートも重要になってくると感じました。

中田薬局松倉店 藤原春香

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