エッセイ15:言葉の力~詩から学んだこと

投稿日:2012年5月1日

 “忙”と“忘”。

 どちらも、“ぼう”と発します。左右と上下の違いはありますが、どちらも、“心”と“亡”から成り立っています。
 忙しい時には、心の余裕(ゆとり)が無くなっていることの方が多いように感じます。前向きに捉えれば、多忙=多望という言い方もできるのでしょうが、なかなかそのようには参りません。忙しい状況が続きますと、まさしく“名は体をあらわす”になってしまいそうです。つまり、「心が亡びる」ことになってしまいます。心が亡びてしまいそうな、そんな忙しさだって在り得ますから。
 “忘”は、忘却、忘恩、健忘など、忘れることです。忘れてしまうことですから、「心が逃げてしまった」と表現することができそうです。

 そうは言っても、人生いろいろです。
 自分の目標や夢の実現のために、時間を惜しんで行動する人がいます。時間を忘れて夢中になっている人がいます。忙しい中、やらされ仕事を嫌々やっているうちに、面白くなって遣り甲斐を見いだした人がいます。忙しさが大好きな人もいます。多忙が生き甲斐の人もいます。
 過去の出来事を早く忘れて立ち直りたい、という切実な心情の人がいます。忘れようと思っても忘れることができずに、忙しくして忘れようと努力する人もいます。失敗したことを引きずるよりも、気分転換して出直したことで成果をあげた人がいます。
 多かれ少なかれ、誰だってそんな経験をお持ちなのではないでしょうか。
 結局、1センチでいいから、前進させてくれる推進力になるような捉え方をすれば良いのだと思います。自分自身が前向きになれるような解釈をすればそれでOK、そのように考えられる年齢になってきたのかもしれません。
 そして、 “忙”にも“忘”にも、その時々の理由があります。原因があります。その様な現状から抜け出したいのなら、その原因・理由をしっかりと見極めて対策を練ることが大切です。
 “忙”と“忘”。ある時に、何となく気になって調べて考えた末の結論でした。

 企業内教育の教材として、詩を使うことがあります。その都度、感じることがあります。詩から学んだことを、ポエム風に表現してみました。

【言葉の力~詩から学んだこと】

   言葉には 人の心を震わす力があります
   言葉には 人の心を動かす力があります
   どうしたらいいのか 戸惑ったり 迷ったり 躊躇して後退りしそうな時に
   多くの人の心を チョッとだけ押し出してくれる
   言葉には そんな力があります
   だから 言葉の意味を きちんと知ることが大切です
   そして 自分の身体で考えて 考えて考えて 言葉を磨くことが大切です
   それを繰り返していると 発する言葉が重たくなってきます
   だんだん だんだん 熱さが宿ってきます
   そうなってきたら その言葉に心を込めて 思いっ切り ぶっかけます
   重くて熱い魂の言葉だから 人の心を打つのです
   人の心に届くのです

                                                         (2008.12.23記)

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