何度も申しあげておりますが、緊急事態宣言の中でも、地域社会の生活安全のために日夜励んでいらっしゃる方々が、数多くいらっしゃいます。いま思いつくだけでも、保健所、役所、警察、消防、自衛隊、海上保安官、税関、警備員、ごみ収集などがあげられます。毎日、救急車のピーポー音が響きます。先日は、消防自動車のサイレン音が聞こえてきました。地域を見守る警察官がいらっしゃいます。ごみ回収は、予定通りに行われています。また、道路の状況を点検する方にも出会います。公共交通機関もそうですね。不足している物資の生産・調達・物流に奔走している方もいらっしゃいます。何度感謝しても、感謝し切れることはありません。繰り返し申しあげますが、医療用具の確保に苦慮しながら、過酷な医療現場を切り盛りされている地球上の全ての医療関連従事者には、感謝の言葉を百万回かけても足りない位です。
改めて、“人は一人では生きていけない”ということに尽きます。ですから、感謝しかありません。このような事態では、感謝することで相手を思いやる心が羽ばたいてくれるのです。感謝の表現の一つは、笑顔でのアイコンタクトです。常にと言う訳にはいきませんが、笑顔のアイコンタクトを意識したいと思います。もう一つ、時には空元気を出そう、という思いが浮かんできます。我慢をしながら、耐えながら多くの皆さんは頑張っているのです。一人ひとりが、それぞれの事情を抱えながら、不満を抱きながら、現状をキチンと受け入れているのです。空元気の一つでも、大空に向かって叫びましょう。一時でも心のメンテナンスになると思います。
それにしても、がっかりさせられることがあります。腹立たしく感じることがあります。内外政治でも、仕事でも、私生活でも、こんな時には“ONE TEAM”精神でなければ、地球規模の難題を乗り越えることなどできません。“共に”の心で臨まなければ立ち行きません。○○ファーストなんて言葉は通用しません。何かを攻め立てて、批判している場合ではありません。今は、持続可能な全地球益が第一優先の時なのです。スピーディーな対応が求められているのです。
4月14日(火)、もろ手を挙げて拍手喝采したニュースが飛び込んできました。大阪府と大阪市とが、ある協定を結んだのです。新型コロナウィルスのワクチンや治療薬の開発を急ぐために、大坂大学や府立病院機構などと連携して治験や研究を行う協定を締結したのです。大坂大学発のバイオ企業アンジェスが開発したワクチンの治験は、前倒しして7月に開始することが明らかになりました。吉村大阪府知事は、“大阪の医学を結集して、世界的に求められるワクチン開発に取り組みたい”というコメントを発しています。地球規模の難題には、英知を結集した“ONE TEAM”精神で立ち向かわない限り、終息への道のりは見えないままなのです。大阪府と大阪市の協定に、希望の灯りを見た気がしました。スピーディーな対応に、有事のリーダーシップのあり方を感じました。
もう一つ、4月18日(土)に頂戴した、知人Aさんのメールの概要を紹介したいと思います。Aさんは社会人になってから猛勉強して司法書士資格を取得しました。その後、独立して事務所を立ち上げたのです。今回の新型コロナの影響で、事業継続に対する不安が大きくなってきました。Aさんは、家族に対して、ご自身の思いと不安を正直にお話されました。返ってきたのが“仕方ないよね。それでも多分生きてはいけるよね。がんばろうね”だったそうです。“不安を共有し家族で危機に立ち向かう態勢は整いました”と結ばれていました。ホロっとしました。元気が出ました。その日は、「まあるいいのち」のCDを何度も聴きました。「見上げてごらん夜の星を」を口ずさみました。
出口の見えない迷路に入ったままです。腹を括って、我慢し続けなければなりません。私一人だけが闘っているのではありません。一人ひとりが共に強い覚悟を持ってONE TEAMで対処することでしか、長いトンネルは抜け出せないと感じております。
人財開発部 井上 和裕(2020年5月11日記)