今回から数回にわたりまして、私(井上和裕/EDUCOいわて・学び塾・種蒔き塾)の考える教育担当者の役割、求められる心構え、能力要件などを提案したいと思います。教育理念を実現するために、プロと称される教育担当者として、どうしても身に着けておきたい行動指針、具体的能力に関する内容でもです。
このような本質的側面を、企業の垣根を越えて、同じ職務に携わる同志として、お互いの考えや思い、苦悩などを出し合いながら、前向きな議論が実現可能になることを切に願っております。胸襟を開いて切磋琢磨し合うべき時代なのです。
私の考える“企業内教育担当者の役割・機能”
●役 割
1.継続的教育テーマの策定
①顕在化している教育ニーズの把握
②潜在化している教育ウォンツの発掘
2.全社的教育風土作り
①教育理念の策定と浸透
②教育体系の策定とメンテナンス
3.人材育成機会の企画・運営・フォロー
①個別育成計画に対応した教育プログラム
②ニーズ・ウォンツにマッチした教育機会(職種別・階層別・ニーズ別)
③定型コース
④OJT(仕事・MT・会議など)
⑤目標によるマネジメント
⑥仕事研究的チーム活動
4.研修インストラクター
5.カウンセリングの実施
6.ニーズに応じた支援、助言、指導の実践
7.経営改善方法の提案と仕組み作り
8.経営補佐(経営者の懐刀)
9.同業他社、異業種とのコラボレーション
●機 能
ディレクター/インストラクター/ファシリテーター/メンター/カウンセラー/ガイド/コーチ/コーディネーター
各組織が主人公となって、組織ぐるみで人材育成に取り組み、活き活きとした組織風土作りを企画・運営・推進する演出家(ディレクター)であり、
社員一人ひとりが、自らを主人公と位置づけ、能動的に自問自答しながら潜在能力を引き出す促進役(ファシリテーター)であり、
壁にぶつかった時の助言者(メンター)、聴き手(カウンセラー)、道案内人(ガイド)であり、
『やって見せて、言ってきかせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ』を、いつでもどこでも実践している指導者(インストラクター、コーチ)であり、
人と人、人と情報、人とノウハウ、人と資源を結びつけて相互理解、相互啓発を推進する調整者(コーディネーター)である。
*上記体系図:添付ファイル参照
(2016.10.15記)