エッセイ131:教育担当者に求められる基本要件(その1)

投稿日:2017年2月21日

 前回のエッセイでは、私の考える“企業内教育担当者の役割・機能”を取りあげました。今回から2連続で、さらに掘り下げた具体的な役割・機能を提案したいと思います。
 このレベルの見解を公言するまでには、相当な質量の経験と試行錯誤の積み重ね、幅広い職務遂行能力の積み上げが必要だと感じております。数年では難しいでしょう。10年は要すると思います。ここは、“僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る”(高村光太郎)、“隗より始めよ”(戦国策)、と肝に銘じてチャレンジしてください。
 「人材育成の基本課題は何か?」、「教育担当の行動指針」、「求められる心構え・態度・スキル」、「教育担当の能力要件」の4部構成ですが、今回は企業内教育担当者の役割の具体的課題編になります。

教育担当者として求められる基本要件(その1)

Ⅰ.人材育成の基本課題は何か?

1.社員一人ひとりの考え方や心構えを引き出すこと、革めること。そして、“自発的やる気”を喚起すること。
  
  (1)“健全な心構え・判断基準”を、しっかりと肚に落とすこと、落とさせること
     ・“人間尊重(Yの心)”を基本的信念に
     ・4S志向
        CS(顧客満足)/DS(生活者満足)/PS(患者満足)/ES(従業員満足)
     ・自己責任意識、目標必達魂、チャレンジ(リスクテイク)精神
     ・CSR(企業の社会的責任)の追求
     ・サステナビリティー(持続可能性)の追究
     ・コンプライアンスの必然性の理解と率先垂範
  (2)必ず行動変革へ結びつけること:仕事が教材(On the Job Learning)
     ・方針と目標を明確にして、全員に明示する
     ・目標達成のための方途を考える、考えさせる
     ・目標と具体的計画を合意する
     ・目標の進捗状況を確認しながら、納得するまで共有化する
     ・対話を通して、“背中を押す”、“誉める・叱る”、“勇気付ける”
     ・納期がきたら客観的に評価する。その結果を理由を添えてフードバックする
        *やる気=自己確信(自信)×自己動機づけ

 2.心を耕して、人間性を磨くこと。
        *自助力(自力で生きていける力)と共助力(周りの人と一緒にやっていける力)を身につけて、 
                                               “いつでもどこでも誰とでも協働できる人”を育てる。
   
  (1)謙虚に素直に看脚下することの習慣化、当り前化
  (2)利害関係にとらわれない、お役立ちの心を持つこと
  (3)人の痛みを知り、その痛みを自分事として、自己を厳しく律すること(自律心)
  (4)個人の尊厳を大切にし、権威主義に陥らないこと(倫理観、道徳観)
  (5)社会の秩序を維持し、社会や会社の諸規程・規律を率先して遵守すること(規律性)
  (6)言ったことや決めたことは、必ず実行に移すこと(誠実)

 3.問題発見能力と問題解決能力を高めること。そして、継続的業績向上に結びつけること。
   
  (1)仕事の進め方の基本であるPDCAサイクルをスパイラルアップすること
  (2)問題意識と感受性・好奇心を引き出すこと
     ・3W(なぜ・なぜ・なぜとWHYを3回繰り返す)思考の習慣化
     ・“何かおかしい、ちょっと変だ”と感じたら、立ち止まって視る/観る/診る
     ・ノーサイドミーティングを日々始終化、当たり前化
  (3)問題提起をする時は、必ず対案をセットにすること
  (4)試行錯誤を奨励すること、歓迎すること

      ※成果・成長=心構え(行動理論)×職務遂行能力×行動量
                      (自律要因)

  (5)失敗にこそ宝物が隠されていることを共有化して、勇気をもって問題解決の基本手順を稼働すること、させること

      ※成功確率が高い「問題解決の基本手順」
         【手順1】問題を把握する
         【手順2】原因を分析する
         【手順3】対案を列挙し整理する
         【手順4】比較選択して対案を選択する
         【手順5】選択案の実行計画を立て、全体をチェックする
         【手順6】計画に沿って、実行する
         【手順7】定期的に、進行状況を検証する

                                                                      (2016.10.28記)

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