エッセイ122:私の提唱する「教育の基本理念」(人財育成の着眼点)1~3

投稿日:2016年10月6日

 今から11年ほど前になります。何かの勉強会(確か、学び塾)で申しあげた企業内教育の土台に関する見解の一部からご紹介したいと思います。

 ヒト・モノ・カネ・ノウハウ・時間・情報・システム…、数ある経営資源の中で、イの一番にあげられる最高の資源は何でしょうか?私は、「ヒト、つまり社員一人ひとり」を断固として支持いたします。
 その社員の育成(企業内教育)について意思決定する時、その判断基準を一体何処に求めることになるのでしょうか。私は、過去20年間の人事・教育の仕事を通して、“企業内教育において必要不可欠な土台は何か!”ということが、ハッキリと見えてきました。
 企業経営の土台が企業理念であるのと同様に、教育理念が人財育成のグラつかない幹として必要なことが。それ無しには、教育成果の客観的評価は不可能でしょう。さらに、教育理念の存在は、社員のためにということだけではなく、最終的にはその企業が社会的責任を果たすことにつながっていくのです。

 この教育理念の策定は、エッセイ119回(教育とは~EDUCO TREE)で取りあげました“教育とは何か?”の回答と併せて、当時の私の最優先課題でした。私が関わっていく教育活動の方向性を見失わないように、私の行動を支えてくれているバイブルの一つが教育理念なのです。
 私の考えました「教育の基本理念」(人財育成の着眼点)全10カ条を、今回と次回の2回に分けて披露させて頂きます。30年近く前に草稿して、幾度か表現を変えて、現在に至っております。

私の提唱する「教育の基本理念」(人財育成の着眼点)1~3

●理念1『会社にとって一番の資源であり財産は、社員一人ひとりである』:人財
  どれだけ優れた業務システムも、ナンバーワン或いはオンリーワンのサービスも、それを考え出し実践していくのは社員です。人間です。その社員一人ひとりが、CS(顧客満足)という視点で、自己動機付けをしながら仕事に励んでいく原点は、人財第一主義以外にあり得ません。
  昭和63年(1988年)に遡ります。人材を“人財”という言い方に変えたのでした。

●理念2『私達の使命は「顧客に“有難う”と感謝して頂くこと」つまり、「顧客のお役に立つこと」である。そのためには、理念・方針に基づいたアクションプランを誠実に実行し、目標・目的を達成することである』:顧客(患者、生活者)満足、社会貢献
  企業の永続的繁栄は、顧客に満足して頂けたかどうかで決まります。顧客に支持されない企業は、結局栄枯盛衰の道を歩むのです。それは、歴史が雄弁に物語っていますね。
  薬局の場合、顧客は患者に限定しがちですが、地域の生活者を忘れてはいけません。それこそが、東日本大震災から授かった強烈なメッセージではないでしょうか。
  顧客満足実現のためには、企業理念と基本方針実現のための具体的計画を、日々コツコツと積み上げるように実行するしかありません。言行一致、知行合一です。

●理念3『企業は環境適応業なり。その秘訣は、オンリーワンの価値を創造することである』:企業の存在価値の創造
  企業運営を不易流行に置き換えてみると、企業理念は不易ですね。それでは、流行とは何をどうすることでしょうか?
それは、経営環境の変化に即応していくことではないでしょうか。その大元は、結局は顧客になります。その顧客も変化します。そういう意味では、年1回は、“我が社の顧客は誰なのか”を再定義してみることも重要になってきます。その顧客が求めるニーズ・ウォンツへの対応こそが、オンリーワンのノウハウに繋がっていくのですから。
  オンリーワンとは、“競合他社に真似の出来ない競争優位性”を指します。

                                                                  (2016.6.11記)

最新の記事
アーカイブ

ページトップボタン