エッセイ87:必見&熟読・熟考「アイタイカラ」

投稿日:2015年5月7日

 今日から37日後は平成27年3月11日です。あの東日本大震災から4年になります。
 発災から数ヶ月間、毎週交替で釜石・大槌地域の医療支援にかけつけてくれた多くの薬剤師がいらっしゃいました。その中の一人、大阪府薬剤師会所属で調剤薬局に勤務されている西垣さんは、その間、一度ならず二度も釜石に来てくれました。
 以来ずっと、年数回の頻度で釜石・大槌を訪れては、独自のボランティア活動を続けていらっしゃいます。その活動がWEBサイトで見ることができるようになりました。
 今回は、そのWEBサイト「アイタイカラ」のPRエッセイにしたいと思います。

 大阪と釜石の往復の移動だけで2日間を要します。そんなタイトな日程の中でのボランティア活動に対しまして、被災県の一生活者として感謝の念を表するだけではなく、その実行力を心から尊敬しております。そして、可能な範囲でしかありませんが、その活動を少しでもサポートしたいと思い続けております。そんな私の思いが、PRすることを催促したのです。
 さらに踏み込んで、呟くだけではなく、「アイタイカラ」の閲覧を強く推奨したいのです。
 特に、薬学生や経験の浅い薬剤師、将来の方向性が確定できていない薬剤師、もっと生活者とつながった活動を志向している医療従事者、…… そのような皆さんにアイタイカラ活動を知って欲しいのです。決して、“同じことをやりなさい”と言いたいからではありません。それぞれが等身大で活動する何らかのヒントが、その中に詰まっているように感じているからです。

必見&熟読・熟考「アイタイカラ」

 西垣有輝子さんは、東日本大震災が発生した3月11日から5月末までの間、ボランティア薬剤師として釜石方式を支えてくれました。そのことがきっかけとなって、年に数回(当初は4回、現在は3回)の頻度で釜石&大槌を訪れては、独自のボランティア活動を続けていらっしゃいます。現地NPO法人などの支援によるヨーガ教室です。西垣さんは、薬剤師であるとともにヨーガインストラクターなのです。
 一昨年からは、同じ大阪在住のタッチケアセラピストである石井万里子さんが加わって新ユニットが結成されました。仮設住宅を回りながら、ヨーガレッスンとタッチケアというユニークな活動へと発展させています。
 当初は、“被災地に行って何かをやること”で精一杯だったようです。ある時、“帰って現地の様子を伝えること”の大切さに気づかれたそうです。そこで昨年8月、ホームページ「アイタイカラ(逢いたいから)」を開設されました。お二人の気負いのない志や瑞々しい思いが、率直に伝わってきて、自然と心に沁みこんでくる内容のサイトです。

 トップ画面から、七つのコンテンツにアクセスできます。
 ABOUT(私たちの活動のこと)、DIARY(活動日誌)、VOICES(現地で聞いたこと)、PHOTOS(フォトギャラリー)、ACTION MAP(活動マップ)、WHAT WE CAN DO(被災地のためにできること)、そしてCONTACT USです。
 アドレスは、http://isiimarico.wix.com/aitaikara になります。

 Aboutでは、この活動に対する二人の考え方や思いが語られています。
 DIARYは、非常に読み応えのある活動日誌です。一番感服しているのは、一人の人間として同じ目線で感じたことを表現されていることです。私はそう感じています。昨年7月と11月の活動日誌がアップされています。今年の一回目は、2月5日(木)から9日(月)の正味3日間、数ヶ所で教室を開催されます。
 VOICESは、被災者の声、復旧に携わっている方の声ですね。“多くの人に読んで頂きたい”、それが二人の一番の願いかもしれません。
 PHOTOSには、活動状況だけではなく、被災地の今や移り変わりが表現されています。
 WHAT WE CAN DOでは、多くの被災地情報にアクセスできます。これだけのサイトを、よくぞ調べあげた、と感心しきりです。

 このHPは、石井さんが担当されています。
 理屈抜きで労作ですね。豊かな感性と所々に表れる心配り、飾ることのない心情表現、砂に水が浸み込むようにスッと入ってくる言葉遣いや感想文、…… 一期一会風のHPに出会えたことに感動しております。
 二人とも仕事をお持ちですから、更新するには相当のエネルギーと時間が必要なことでしょう。内容量が多い上に、相当に練りこんだ表現になっています。更新情報掲載が遅れることなど気にしないで、時間の許す範囲で納得のいく内容に仕立てて欲しいと願っております。それで十分ですね。
 それにしても、このような質の高い、心のこもった、手作り感のある、飾り気のない自分たちの思いと真剣に向き合っているWEBサイトは、そうザラにはあるまい。何かを誇張して宣伝するのではなく、“私たちが…”と自慢することもなく、淡々と活動している姿に、心洗われる気がしております。この活動では移動に車が必要不可欠です。西垣さんはそのために運転免許を取得されました。

 再度申しあげます。是非、ご覧ください。全てのコンテンツを、熟読頂きたいと存じます。
 また、感想などはCONTACT USから直接届けることもできます。是非、皆様方の声をお願いいたします。

 以上、「アイタイカラ」活動のPRエッセイでした。(2015.2.2記)

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