エッセイ56:“教育担当者に求められるもの”の一考察 その1

投稿日:2014年1月20日

 今から10数年前になりましょうか。『企業内教育の活動指針』と名づけて、今後の私の仕事遂行のプラットフォームとしての個人的な手引きをまとめました。
 表現した文言は、それまで直接間接を問わず教えて頂いたこと、体験しながら学んだこと、などを整理してまとめたものです。決してオリジナルの内容ではありませんから、発表できるものではありません。しかし、“若い教育担当者の参考に供したい”という思いから、今回から三回にわたりましてご紹介させて頂きます。
 活動指針はいくつかの単元で構成されております。その中の一つ“教育担当者に求められるもの”を、加筆修正してご紹介させて頂きます。それらが全て納得頂ける内容とは思っておりません。企業内教育に携わっている方々との相互啓発の材になればと希望しております。
 意見交換の場が実現出来ると良いですね。実現すれば、ただただ嬉しい限りです。
“教育担当者に求められるもの”の一考察 その1

Ⅰ.人材育成の基本テーマは何か?

1.社員一人ひとりの考え方や心構えを変革すること。そして“自発的やる気”を喚起すること
   (1)“健全な心構え・判断基準とは何か”を、しっかりと肚に落とすこと
    ・“人間尊重(Yの心)”を基本的信念に
    ・4S志向:CS(顧客満足)、DS(生活者満足)、PS(患者満足)、ES(従業員満足)
    ・自己責任意識、目標必達魂、チャレンジ精神
    ・CSR(企業の社会的責任)の追求
   (2)必ず行動変革へ結びつけること:仕事が教材(On the Job Learning)
    ・方針と目標を明確にして、全員に明示する
    ・目標達成のための方途を考える、考えさせる
    ・目標と具体的計画を合意する
    ・目標の進捗状況を確認して、納得するまで共有化する
    ・対話を通して、“背中を押す”、“誉める・叱る”、“勇気付ける”
    ・納期がきたら客観的に評価する。その結果をフードバックして、評価奨励する
     *やる気=自己確信(自信)×自己動機づけ

2.心を耕して、人間性を磨くこと
     *自助力(自力で生きていける力)と共助力(周りの人と一緒にやっていける力)を身につけて、
                                                “いつでもどこでも誰とでも協働できる人”を育てる。
   (1)謙虚に素直に看脚下することの習慣化、当り前化
   (2)利害関係にとらわれない、お役立ちの心を持つこと
   (3)人の痛みを知り、その痛みを自分の痛みとして自覚し、自己を厳しく律すること(自律心)
   (4)個人の尊厳を大切にし、権威主義に陥らないこと(倫理観、道徳観)
   (5)社会や組織の秩序を維持し、社会や会社の諸規程・規律を率先して遵守すること(規律性)
   (6)言ったことや決めたことを実行にうつすこと(誠実)

3.問題発見能力と問題解決能力を高めること。そして、継続的業績向上に結びつけること
   (1)仕事の進め方の基本であるPDCAサイクルをスパイラルアップすること
   (2)問題意識と感受性・好奇心を引き出すこと
     ・3W(なぜ・なぜ・なぜとWHYを3回繰り返す)思考の習慣化
     ・“何かおかしい、ちょっと変だ”と感じたら、立ち止まって視る/観る/診る
   (3)問題提起をする時は、必ず対案を出させること
   (4)試行錯誤を奨励すること、歓迎すること
   (5)失敗にこそ宝物が隠されていることを気づかせること

                                                           (2013.11.3記)

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