エッセイ55:目の前の事に集中して全力投球

投稿日:2014年1月7日

 明けましておめでとうございます。
 新たな年を迎えました。本年も、感じたこと、気づいたこと、教えられたことなどを、皆様とご一緒に考えて参りたいと思います。宜しくお願い申しあげます。

目の前の事に集中して全力投球

 この時間、30歳代後半からの30数年間を振り返っています。
 特に、この26年間、間違いなく実践し続けている行動を振り返っております。

 私は、周りの方々に対して紹介できるような、これといった趣味を持っておりません。
 また、特技といえるものも、自慢できそうな秀でた能力も持ち合わせていない、という認識で現在に至っております。
 問題を前にして、“どうしら良いのだろうか?”、“どうすれば好転出来るのだろうか?”と、常に悩みながら、たいした自信もないままに、恐る恐る手探りで対処する毎日でした。
 だからでしょうか、目の前にある仕事や課題を、精一杯やり通すことでしか、足を踏み出すことが出来ませんでした。先ずは、手を抜かないでやり切るしか手がなかったのです。どれだけ時間がかかろうとも、例え徹夜になろうとも、やるしかありませんでした。徹夜以外は、今でも変わりありません。
 結局は、失敗の恐れを払拭するために、納得するまで事前準備をすることしか方法はありませんでした。同じ事前準備を何十回も繰り返して行ない、気が済むまで愚直に点検することでしか、私の心を落ち着かせることが出来ませんでした。きっと神経症に近い状態だったかもしれません
 研修では、担当する全時間の内容を一字一句書き出して台本原稿を作りました。その原稿を全て暗記し、その通りに忠実にお話できるようにしました。訓練する自分の姿を、夢の中で何回見たことでしょうか。
 気がつけば、10数年経っていました。それが、染み付いた仕事遂行方法になっていました。
 私の研修運営を褒めて頂く事が多くなりました。主宰する研修の見学者も増えました。どう対処したら良いのか、進め方や教材につて相談されることもありました。メンバーや後輩育成の仕事も、大きな任務でしたから。
 しかし、自信を感じることは、正直ありませんでした。自信なんてありませんでした。

 さらにどれだけの年月が経ったことでしょうか。
 今でも、同じスタンスで向き合っている自分がいます。同じやり方を踏襲している私がおります。
 それは、“目の前の事に集中して全力投球する”という決意で実践する私です。それが私の数少ないオリジナル作法なのです。
 仕事遂行も、対人関係構築も、どちらかと言えば、不器用で、融通が利きません。払拭努力をしても消せない頑固さが影響してか、自他の意見や考えを理解し消化して意思決定するまでに人の数倍時間を要する姿も、基本的に変わりありません。時間の有効活用を目指して、自己変革努力もかなり行いましたが、なかなか変えられていません。
 3年半前に定年退職をし、それからはフリーランスとして、育てて頂きました地域、社会、皆様方に恩返しすることが義務である年齢を、既に超えてしまいました。どれだけの恩返しを実現するかというような欲目を意識することなく、頂戴した目の前の事に対して、自然体で、可能な限り誠実に対処したい、集中して全力投球し続けたいのです。力まないで、そうつぶやくことが出来た新年でした。
                                                                    (2014.1.3記)

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