エッセイ52:考えても答えの出ないことがある。そんな時のレーダー役の一つが志の強さ!

投稿日:2013年11月25日

考えても答えが出ないことがある。そんな時のレーダー役の一つが志の強さ!
 
 新社会人はもとより、特に若い方々に強く申しあげていることがあります。
「“問題解決の思考プロセス”を、今の内から意識して身につけなさい」ということです。ベテランと言われる皆さんにも、自己点検して頂くこともあります。
 私が申しあげます“問題解決の思考プロセス”は、三つのステップから構成されています。
 最初のステップは「観る、聴く、感じる」です。第2ステップが「考える、組み立てる、掘り下げる」で、最後のステップは「表す、伝える、説得する」になります。
 今回のエッセイでは、「考える、組み立てる、掘り下げる」について、考えてみたいと思います。

 観察、傾聴を繰り返し、想像力を発揮して考えても、掘り下げてみても、なかなか答えが見つからない場合があります。見つけられない場合があります。人によって違うのでしょうが、私の場合、特に40歳台半ばまでは、四苦八苦の連続でした。
 経験不足、知識不足もあるでしょう。誰かが手を貸してくれるだろう、そのうちどうにかなるだろう、という甘えと希薄な責任感が原因だったこともあるでしょう。
 今、振り返って看脚下してみると、明らかな原因の一つがハッキリと見えてきます。
 それは「志の弱さ」です。ほどほど意識であり、脆弱な意欲が原因なのです。
 考えても考えても答えを見いだせない時は、フットワークで探し回るしかありません。動き回って、時には頭を下げて教えを請うほどの強い志こそが、光明をもたらしてくれるのです。
 余程のことでなければ、いくらでも方途はあるものです。コツコツ積み上げてでも達成したいという強い志があれば、どうにかなるのです。
 
 私が就職活動中の薬学生の皆さんで、お会いした全員に唯一申しあげていることがあります。
 それは、「あなたはどのような人間になりたいのですか?」、「あなたはどのような薬剤師になりたいのですか?」、「あなたの理想とする人間像は?」、「なりたい理想の薬剤師像は何ですか?」 ということです。
 “就職活動の結果は、一人ひとりの思いの強さ、志の高さに比例する”というのが、この十数年間の採用経験から得た私の考え方になります。その意を年々強く感じながら、「理想とする人間像」、「目指す薬剤師像」という志(初志)を、思い切って公表する“天高く舞い上がれ初志プロジェクト”(仮称)を企画し、多くの薬学生に気づいて頂く啓発的活動の実現にも思いを馳せている最近の私なのです。

                                                             (2013.10.16記)

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