エッセイ38:私の目指す採用担当者としての基本スタンス、心構え

投稿日:2013年4月20日

 今回のエッセイは、薬学生の採用の仕事に携わって以来、何度か触れている内容になります。

私の目指す採用担当者としての基本スタンス、心構え

 採用の仕事に携わるようになって20数年になるでしょうか。その間、日用品・トイレタリー卸売業、調剤薬局、ドラッグストア計6社で、大学生・大学院生(文系、理系、薬学系)、専門学校生、高校生の採用に関わってきました。
 所属する会社だけではなく、同業ライバル企業、他業種の企業などのあり方を、出来るだけ客観的な眼で観察してきました。特に同業他社との獲得競争の中では、活動のあり方(=考え方や基本スタンスのあり方)を考えさせられることが、幾度となくありました。その中には、現在でも問題意識をかき立てられることもあります。
 そのような環境の中で、自戒の意味を籠めて、常に私自身に問いかける四つの?(はてな)があります。それは、“採用活動は何のための活動か?”、“採用活動は誰のための活動か?”、“採用担当者の倫理観はどうあるべきか?”、“採用担当にとってのCSR(企業の社会的責任)とは何か?”ということです。この四つの問いかけに対する自答が、私の目指す採用担当者としての基本スタンスであり、心構えなのです。そして、これらは、私の千歳不易の理念となりました。

採用担当者としての心構え

1.採用担当者の使命は、顧客である薬学生のニーズやウォンツに応えることである。顧客満足の具現化である。ニーズ・ウォンツや実状を掴むことからスタートすること。そして、顧客のニーズ・ウォンツは十人十色である。
2.採用担当者は人事担当者である。人事業務の中には企業内教育も含む。
  だから、多くの企業様が参加される公式行事では、決められたルール理解して臨むこと。マナー違反は厳に慎むこと。
3.求職者にとって合同会社説明会のメリットは、1日の内に多くの企業情報を収集出来るという絶好の機会である。そのためにも、まず最初に、一人ひとりの予定と知りたい情報は何かを訊くこと。
4.会社説明会は、採用担当者の独演会の場ではない。来場者との対話の場である。
5.企業内教育は、希望を語り合う場である。お互いの志を語り合う場である。
  採用活動とは、顧客の希望や志を引き出すきっかけの場である。その手助けをするのが、採用担当者の主任務である。
6.薬剤師の仕事は、人間の健康に関わる仕事である。採用担当者は、そのことをしっかりと肚におとして薬学生と対応することだ。
7.採用活動は、企業の土台を強くしなやかに保ち、永続的繁栄を叶えるための戦略である。

就職活動の薬学生に対する基本スタンス

1.正しい企業情報を提供すること。実態を分かりやすく伝えること。
2.実態の中には、現状の問題点や課題も含む。具体的に紹介すること。
3.薬剤師だからこそ分かること、答えられることがある。だから、必ず薬剤師が同席すること。
4.社会の実状を少しは知っている一先輩として、就職活動のコンサルティング的機能にも心がける。そのために、一人ひとりの考え方や志を引き出す対話をすること。
5.自分との相性や会社の雰囲気は、現場を見ることが確実な方法。会社の実態は、現場を見るしか方法はない。だから、本社や薬局見学を、選抜選考試験受験の条件とする。
6.就職活動は、会社選びだけが目的ではない。自己実現の方法を考える機会でもある。そのためには「どのような人間になりたいのか」「どのような薬剤師になりたいのか」が、大前提となる。
  だから、薬学生に対する第一声は、「どんな薬剤師になりたいの?」「どんな人間になりたいの?」「なぜ薬学部を選択したの?」という問いかけなのである。
  そして、その土台の一つが国民から負託された薬剤師の使命である。薬剤師法第一条の文言を訊くことも忘れてはならない。
7.就職活動のもう一つの大切な目的は、卒業後従事する仕事(業種、職種は問わない)の意味や意義を考えて自分の考え方を明確にすることである。だから、「仕事とは何か?」「会社とは何のために存在するのか?」「企業の社会的責任とは何か?」などを自問自答してから、就職活動に挑むように方向づけすること。
8.就職活動は真剣勝負の世界である。だから、自己責任意識を発揮して活動するように方向づけること。

                                                                               (2013.2.8記)

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