私が担当する教育機会のまとめの中で、「学習効果の高い人になろう」という方向づけをすることがあります。
具体的には、「学んだことは、明日からではなく、今から活かすこと。つまり、即実行に移すこと」ということです。行動に活かさないのは、いくら頭で理解したつもりでも、身についたことにはなりません。学習と実行を両輪として動かすことでしか、修得という階段を昇ることは出来ません。知行合一の繰り返しこそが、着実な成長の方程式なのです。
このことは、これからも口うるさく言い続けていかなければなりません。難しいことを奨励するのではなく、当たり前のことを、こつこつコツコツと日々実行するよう仕向けていこうと思います。
今回のエッセイは、最近問いかける頻度が高い問題意識や想像力について、ブツブツ呟くことにします。
もっともっと、日々の気づきをぶつけ合いたい
“私の仕事は、結局、任務遂行上発生する問題を解決することです。問題解決の連続です”
これは、“あなたの仕事は何ですか?”という問いかけに対して、10数秒間考えた上での知人Eさんの回答でした。
その発した回答は、自分の仕事や役割とシッカリ向き合い、様々な事象や関連する人達に対する誠実な対応を通して行き着いた一つの考え方であり、結論なのではないでしょうか。それにしても、前向きな応え方だなあ、と感心したことを覚えております。
仕事の進め方の基本は、何はさておきPDCAサイクル(別名:マネジメントサイクル、デミングサイクル)をスパイラルアップすることにつきます。今までも、何度となく取りあげている根底となる行動指針です。PDCAサイクルを、私なりの解釈で編成し直して「成功確率の高くなる“問題解決の基本手順”」と名づけて活用しているのは、その重要性の証左なのです。
問題を解決する場合、「何が問題なのか」が判ったとして、「何故、その問題が発生したのか」、その原因を明らかにすることに苦労をしている時に、傍からよく言われるアドバイスがいくつかあります。
“もっと想像力を働かして考えてみよう”、“問題意識が足りないように思う”、“見方や見る角度を変えてみることで、先が見えてくるかもしれない”、“先ずは、四直四現主義による事実の観察からやってみよう”… などがあげられます。
その中の“想像すること”や“問題意識を働かせること”ということは、今までの考え方ややり方を疑ってかかる、という行為でもあります。原因がヒューマンエラーの場合には、その人の言動や行動理論、そして行為についてまでも疑ってかかるということも出てくるでしょう。先入観や思い込みということだってあり得ましょう。“嘘や偽り”であったり、“そうかも知れない?”という不確かな場合もあるでしょう。やはり基本は、事実は何かというところから出発しなければなりません。そうなれば、想像力も問題意識も、相手の立場になって発動することも求められます。
また、正攻法で取り組んでも、問題の入り組み具合の複雑さによっては、途方に暮れる時だってあります。しかし、私自身が問題解決の当事者になった時、どのような考えで、どのように対処するのか … 。その時に、私自身の全てが問われることになります。そう覚悟をしながら、日頃の仕事の取組み方がどうなっているのか、そのことに問題意識を集中させることの必要性も感じます。私が何をやったのかは、結局、日々の仕事の積み重ねだからです。
それにしても、少しばかりの感受性を働かせ、問題意識のアンテナを高くして想像することを、想像して得た気づきをぶつけ合うことを、もっともっと身近な仕事仲間との間で奨励していかなければなりません。その繰り返しを、当り前に続けていけば、問題意識も感受性もスパイラルアップ状に高まっていくと確信しております。
今回のエッセイ、論点の整理がつかないままの呟きになってしまいました。お許し頂きたいと存じます。
(2012.7.25記)