今までのエッセイでは、私の主宰する学び塾の活動内容の一部を、二回ほど取りあげてみました。今回は、学び塾の現状と、私の心情を吐露させて頂きます。
平成21年8月にスタートした私の主宰しております学び塾も、節目の4年目を迎えました。18名でスタートし、最大23名が在籍した塾生も、現在では約半分の10名で運営しております。
結婚や出産で休職した方、転勤によって通うことが不可能になった方、自立路線を選択した方、教育観の変化から退塾された方など、その理由や事情は一人ひとり異なります。
学び塾のベースキャンプは、福島市と郡山市になります。昨年の福島第一原発事故の影響で、複雑な心境と感情で避難した方もいらっしゃいます。その原発事故が、一番の理由として横たわっているように感じております。どうにもならないことは百も承知しておりますが、学び塾のような自主的な自己啓発チームの運営にも、原発事故が大きな影響を及ぼしているのです。
そのような中での私の最大の関心事は、退塾した皆さんの動向であり、心情なのです。
何を想い、どこで、どうしているのだろうか?
黙して人を想う
あれから、何の音沙汰もありません。
あの人は、今どうしているのだろうか?
どこで、何をしているのだろうか?
苦しみや悩み、さらに負い目を背負って、今の道を選んだのでしょう。
決して、納得して選んだ道ではないのかもしれませんね。
だから、私から音信を確かめることは、その人に負担を強いることにもなるので控えています。
今の私に出来ることは、黙して想うことです。
氷点下10度の厳寒の夜空に向かって、
春の花の微かな香りに包まれながら、
時々、だまって、その人を想うことにしております。
想うほどに、やはり、気になるのです。
気になって気になって、心配する気持ちでいっぱいになる時もあります。
あの人は、今どうしているのだろうか?
もう立ち直ってくれたのだろうか?
立ち直って、新たな志に向かって歩を進めているのだろうか?
立ち止まっていいから、半歩でも前に進むことができるようになったのだろうか?
私に出来ることは、黙して想うことだけでしょうか。
今は、黙して想うことしかできそうにありません。
(2012.10.8記)