エッセイ25:学び塾におけるコロキウムの最大の眼目は、コンセプチュアルスキルの強化

投稿日:2012年9月24日

*このエッセイは、平成24年3月8日に書きあげました。前々回のエッセイでは、私の主宰いたします学び塾の一端を紹介させて頂きました。今回は、学び塾の核として位置づけておりますコロキウムについての呟きです。

 今日は平成24年3月8日(木)です。もう少しで、時計の針が14時46分を指します。3日後の同時刻は、東日本大震災発生から丸一年になります。
 釜石市や大槌町へは、月一回、仕事で訪問をしております。その時は、必ず時間を作って、津波の浸水エリアに足を運ぶようにしております。そうすることが、私の心の風化の防止策なのかもしれません。毎回、様々な思いや感情が往来します。でも、それらをグッと飲み込んで、その時々の思いや感情を、私の心の眼に焼き付けるようにしております。

 コロキウムは、学び塾の実践的カリキュラムの大黒柱に位置づけております。今回のエッセイは、その大黒柱にかけた、私なりの思いに焦点を当ててみようと思います。

学び塾におけるコロキウムの最大の眼目は、コンセプチュアルスキルの強化

 第8回(2月11日)と第9回(6月10日)の学び塾には、2回目のコロキウムを組み込んでおります。今回のコロキウムは、全員が同じ研究課題に取り組み、その結果をスピーチ発表するという段取りにしました。
 具体的には、研究課題が「私の考える地域医療実現のための“かかりつけ薬局”の姿」、発表形式は10分間スピーチにして、自分の志を余すことなく表現することを共通の指針にするよう、事前に塾生全員に諮って決めました。さらに、研究結果を概念図(A4版1枚)にまとめて全員に配布すること、10分間(3,000字)のスピーチ原稿を事前提出することも提示しました。
 ねらいについては、①薬剤師の職能を果たすための原点となる志を再構築して、自分の言葉で解りやすく表現出来るようにすること、②一人ひとりの志を青図に描いて、塾生全員の共有財産とすること、そして③全員が同じ研究課題に取り組むこと、の三つに絞り込みました。
 今後はさらに、間髪をいれないで3回目のコロキウムを実施しようと模索中です。来年実施を視野に入れております。そこには、継続した取組みだからこそ成し得であろう何かがある、という私なりの直感が働いているのです。
 
 学び塾コロキウムでは、毎回、研究課題とねらいを変えております。そして研究課題範囲は、単なるお任せ型自由研究ではなく、私から提示したり、相談しながら決めております。
 その理由は、学んだことや意思決定したことは必ず実行するという、知行合一の機会を意識的に設けて、問題解決の思考プロセスを強化することにあります。さらに、その問題解決の思考プロセスの強化が、コンセプチュアルスキルを知らず知らずの内に磨き上げていくという実感が、この十年間で確信という域に達したからです。
 つまりは、コンセプチュアルスキルの強化が最大の眼目であり、あまり公言したくはない密かな目論見でもあるのです。
 先ずは「感じる、観る、聴く」、次に「考える、組み立てる、掘り下げる」、そして「表す、伝える、説得する」。これからも、日々の仕事や出来事を通して、このプロセスの当り前化を追求し続けていく所存です。

(2012.3.8記)

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