エッセイ231:学び方アレコレ~反面教師という学び方

投稿日:2021年6月5日

 エッセイ231回では、2020年度の新卒薬剤師教育実施例を取りあげました。提出資料を何度か読み返しては、その文言と行間からの各自の真意追究に時間をかけます。その上で、私からのコメントはもちろん、さらに動機づけメッセージを添えるようにしております。今回のエッセイは、その初回メッセージ「学び方アレコレ~反面教師という学び方」(2020年6月19日記)を紹介したいと思います。過去のエッセイでも触れてきたテーマです。私たちの周りには、無限の学び方が舞っています。その事に気づいて欲しいのです。そんな問題意識をお持ちの方が、残念ながら少ないように感じています。

学び方アレコレ~反面教師という学び方

 入社して三か月近くになりました。目の前の事で精一杯だったと思いますが、少しずつ周りを見る余裕が芽生えてきたでしょうか。考えてみれば、自分自身を成長させる教材は、本人の身の回りの至る所に存在します。失敗することもあります。嫌な思いをすることもあるでしょう。ムッとすることだってあるかもしれません。どう対処したら良いのか判断できないことがほとんどだったとしても、成長させてくれる教科書は無限に存在します。そんな中で特に難しいのが、感情を持った人間と関わる仕事が主要な任務だということかもしれません。患者さんだけではなく、地域の生活者、他の医療従事者・介護従事者、そして会社の同僚(二人にとっては全て先輩社員)など、四方八方が対人関係業務なのです。皆さんとは仕事内容は異なりますが、私の経験した営業、人事・人材育成の仕事も代表的な対人関係業務でした。今回のコメントの締めとして、過去の対人関係の経験から学んだ、何年も前から心がけている私の指針を紹介したいと思います。

 私の信念の一つになりますが、“やられて嫌だったことは、他人に対してやってはいけないという指針があります。その指針に関連して、“人の振り見て我が振り直せという自戒の心構えも併せて持ち続けております。人間であれば、誰でも不平不満を持っています。対人批判、会社批判だってするでしょう。それは問題意識の発露ですから、考える葦の人間としては不思議ではありません。しかし、批判だけで終わっては何も解決できませんし、無責任の誹りを免れませんね。元来、仕事は一人だけで完結しませんし、自分一人だけで生きている訳でもありません。ですから、考え方がぶつかりあって、納得できないことだって起こり得ます。不本意ながら、立場的に従わざるを得ない場合だってあるでしょう。私の場合ですが、そのような経験を数多く味わってきました。やる気が失せたこともあります。しかし、踏み止まることができたのは、“やられて嫌だったことは、他人に対して絶対にやってはいけない”、“人の振り見て我が振り直せ”という信念に近い指針の存在だったのです。よく言われます反面教師として、自分自身のあり方を主体的に前向きに見直すことに努めたということに尽きます。

 世の中には反面教師が数多く存在します。理屈抜きに“駄目なことはダメ”という事態もあります。そんな時は、チョット立ち止まって、冷静な気持ちで我が身を振り直してくださいそんな私はどうなのよ!?”と。そして、どうやって“共に”の姿勢で対処するべきかを考えてください。そうすることで、おおらかな気持ちで目の前の課題と向き合うことができる可能性が高くなると思うのです。

 これらは私の見解ですから、思い違い、勘違いもあるかもしれません。しかし、想像力の羽根を思いっきり拡げて、精一杯考えました。共感できることがあれば取り入れてください。行動が成長を促します。誠実な行動を期待しております。(2020年6月19日記)

   人財開発部 井上 和裕(2021.2.14記)

【参考】エッセイ225回:私が仕事を好きになったのは、……(2020年10月10日記)/  エッセイ183回:この道はいつか来た道~人のふり見て我がふり直せ(2019.2.4記)/  エッセイ216回:M&L実践Ⅰ「人のふりが気になったら、我が身をふり直してみよう」(2020.5.30記)

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