前回の号外編Ⅱ②(8月15日記)では、“私の生き方”の総見直しを提案いたしました。現在のような状況下においては、多様な考え方に耳を傾けながら、自身のこれからのあり方や生き方を深耕することで、心が穏やかになる感覚が研ぎ澄まされてくると思うのです。私が主宰しております学び塾やいのうえ塾が、各自の思いを臆することなく公言する広場になってくれることを願っております。
私の生き方や考え方は、これまでのエッセイで取りあげてきました。号外編Ⅱでは、若い方々を中心に提起している考え方の着眼点、さらに私自身が注力している対人関係のあり方のいくつかを呟いてみたいと思います。それらは私にとっての課題でもありますが、公言することで、私自身の甘えを断ち切ってくれるのです。今回は、数年前の新入社員導入研修から提起しております着眼点を取りあげてみます。これらは、私自身の生き方を考える時の前提条件となる考動指針(思考指針&行動指針)でもあります。
有意義な人生へと導いてくれる私の考える考動指針
東日本大震災から9年と6か月になります。当時を振り返れば、思い知らされたこと、決して忘れてはいけないことが、いくつもありました。それらは、それまでの私の思考習慣や行動習慣に大きな変化をもたらしたのです。そこから学んだ教訓の多くは、新社会人にとって、これから何十年と続く人生の着眼点として考えて頂きたいことであり、生き方を考える時の前提条件となる考動指針だと感じるようになりました。そのような思いを“有意義な人生へと導いてくれる私の考える五つの考動指針”として、数年前に研修カリキュラムとして再編成しました。新社会人だけではなく、年齢の別なく意識して頂きたい考動指針だと考えております。皆さんの心に、どれだけ響いてくれるか自信ありませんが、一度受け止めて、“その意図は何か”を考えて頂きましたら嬉しい限りです。
1.想定外と決別する
(だから)想定していなかった事態に遭遇しても、その事態を受け止めて向き合うこと。常に、万全の準備をして臨むこと。
2.一生かかっても知らないことが、エベレストの高さほどあることを自覚する
(だから)無知の知を知る。謙虚に学ぶ。教えを乞う。“我以外皆我師也”の心構えで。
3.人は誰でも、一人では生きていけない/一人でやれることには限界がある
(だから) “共に”の姿勢。周りを活かす。連携・協働。法令遵守(コンプライアンス)。
4.十人十色、百人百色、千人千色/人の数だけ回答がある
(だから)一所懸命傾聴する。
5.人は誰でも好き嫌いがある/全員が満足する回答はない/絶対に正しいという答えはない
(だから)相手の立場に立つ。自分:相手=49<51
新社会人には、これからの人生の具体的考動指針の考案を推奨しております。自力で考えることで、視野拡大につながる確率が高くなるからです。難しいテーマではありますが、逃げることなく向き合う様子を見届けております。ベテラン社会人の皆さん、オリジナルMY考動指針作りにチャレンジしてみませんか!
井上 和裕(2020年8月20日記)