行動理論から考動理論へ

投稿日:2020年9月2日

 意思決定する時のぶれない判断基準を持つことの必然性を自覚したのが、組織の長としてチーム運営を任されてからでした。数多くのチームマネジメントの失敗事例を検証すると、私の性格的側面に問題のあることが見えてきたのです。さらに、学生時代のクラブ活動など、遠い昔の出来事や数々の失敗体験においても、同じような風景を見ることができました。しかし、身についた性格を改めることは、容易なことではありません。常に頭を悩ませていましたが、そんなモヤモヤを吹き飛ばしてくれたのが、株式会社ジェック(以下、ジェック)の打ち出したある理論でした。当時、縁があってジェックが企画運営するいくつかのマネジメント研修を受講いたしました。どの研修のオリエンテーションにも登場するのが、行動理論(下記参照)という考え方でした。

  【行動理論とは

『人間が目標達成のため、或いは他の人に影響を与えようと思って行動する時、その人の行動選択に強く影響を及ぼし方向づけているその人なりの「こうすれば、こうなるだろう」という考え方(判断基準心構え思考習慣因果理論等)のこと。人間は一人ひとり異なる性格や考え方をもっています。そして行動のとり方も千差万別です。それらと行動結果(業績)の因果関係を考察した時に打ち出された(株)ジェックの理論。性格はなかなか変えにくいけれども、行動理論は変えることが可能であり、行動の結果である成否を左右するのは行動理論。だから行動理論を正していくことで成功確率が高くなってくる。』

 研修受講の都度、行動理論の何たるかを拝聴しながら、私に欠けていたものが明らかになってきました。私の考え方の偏りや勘違いが、目の前に洗い出されたのです。変えにくい性格に目を向けるのではなく、正に行動理論を正すことがチームの力を高めてくれることに気づかされました。私の目から鱗が落ちたのです。振り返って、物心ついてからの失敗事例、対人関係が上手くいかなかった要因も、今になれば客観的な要因分析が可能ですが、その当時は見えていなかったことを、つくづくと感じ入った記憶が思い出されます。行動理論という考え方がしっかり腹に落ちるまで、正直かなりの時間を要しましたが、このことがきっかけとなって、本質を追求する姿勢が芽生えてきました。それからは、判断基準を正すことが、組織の長としての課題となりました。人事教育担当者としての重要は追究課題の一つにもなったのです。その結晶の一つが、EDUCOの森号外編Ⅱ③(8月20日記)で紹介した“有意義な人生へと導いてくれる私の考える五つの考動指針(思考指針&行動指針)”なのです。

 新型コロナウイルス禍の終息とまではいかなくても、収束までの道のりすら見当もつきません。新しい生活のあり方が試行錯誤されていますが、あり方を考察する時の基盤は生き方そのものにあります。生き方が明確になっていることです。そして、生き方を総まとめする時の原点が考動理論理論&行動理論なのではないでしょうか。この数か月を、意思決定する時のぶれない判断基準(考動理論)を見直す機会にしたいと思います。さらに、私の生き方を公言する機会へとつなげたいと思います。新型コロナウイルスは、そうする機会を与えてくれたと、前向きに捉えるようにしております。

 一方、人生経験を積み重ねながら、変え難いといわれる性格に変化を感じることがあります。次回は、私の性格をまな板に載っけて、その裏側も含めてアレコレ考えてみたくなりました。

     井上  和裕(2020年8月31日記)

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