この数ヵ月で気づかされたこと 第3回:生き方の総見直しの機会に

投稿日:2020年5月28日

 4月3日(火)から始めた新型コロナウイルスに関するエッセイに、かなりの頻度で登場しているのが“感謝”という二文字です。この国難、地球難において、ウイルス感染リスクを抱えながら、それぞれの職能を果たすための一所懸命な姿を見聞きして、感謝以外の言葉が思いつきませんでした。3月中旬のメモ帳には、エッセンシャルワーカーなど多くの職種の皆さんへの感謝の言葉が、何度も繰り返し出てきます。

 さらに、こんなことを想像し始めました。“世の中には、どれだけの種類の職業・職種があるのだろうか?”ということです。そして、全ての職種は、グローバリゼーションによって築かれたシステムの中で縦横無尽につながり合っています。ですから、どこかに穴が開けば、システムの流れは停滞し、或いは途切れてしまうのです。多くの原材料を輸入に頼っている日本の場合、供給元からの原材料を始めとした商品供給がストップすれば、大きなハンデを背負うことになります。自力では如何ともし難いことを強く実感しました。マスク不足が一向に解消されない理由は何なのか、などなどチョッと想像力を働かせて考えてみれば、これまで築き上げてきたシステムでは、直ぐに解決できないことが見えてきます。

 そのような状況下において、それぞれの職能・職責を果たそうと、使命感を持って試行錯誤し、工夫して乗り切ろうとしているのです。だから感謝なのです。そして、それまでの日常の当たり前にも頭を垂れて感謝するしかないのです。手を合わせて、祈りを込めて感謝するのです。

 緊急事態宣言が、全国で解除されました。最近強く感じていることは、これから取り組むべき課題を何にするか、どこにするかということです。4月初旬から抱いている私見を申しあげたいと思います。

 個人も会社も、“生き方と仕事のあり方を総見直しして再構築しましょう”ということを、ハッキリ申しあげたいと思います。これからの半年間は、生き方と仕事のあり方を再構築する時間に充てることです。先ず現状を総点検し、その上で将来像を見定め、短期・中期・長期ビジョンを策定することです。新型コロナウイルスがくれた貴重な贈り物と捉えましょう。命題として、逃げずに向き合いましょう。プラス思考で、そこにチャンスを見出しましょう。新型コロナウイルス禍を通して、今まで知らなかった数多くの現実が、私たちの前に晒されています。それが悔しい現実であったとしても、そこから、新たな希望を見出すことができるはずです。

 やれること、やらなければいけないこと、やってみたいこと、…… いくつも出てくると思います。従来の考え方の延長線上だけで考えるのではなく、発想の転換を意識して総見直しするのです。健康サポート薬局の将来像を、医療従事者一人ひとりが、真っ新な白生地に描き出すことから始めましょう

       井上 和裕(2020年5月28日記)

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