臥薪嘗胆と発想の転換~不易の考動指針

投稿日:2020年5月18日

 39県で緊急事態宣言が解除になりました。ウイルス封じ込めの新たなステージに立ったことになります。しかし、それまでの自粛の精神を、これからも持ち続けることが最優先となります。それまでの努力が水泡に帰すからです。新型コロナウイルス禍に関するエッセイを、もうしばらくの間、呟き続けたいと思います。

 臥薪嘗胆。ご存知だと思いますが、“がしんしょうたん”と読みます。“将来の目的達成や成功を期して、長い間、苦心や苦労を耐えること、重ねること”という意味ですね。先の見えない今こそ、まさに臥薪嘗胆と心得ておきたいと思います。“自分さえ良ければ”という姿勢は、社会全体を壊してしまうように感じます。

 先が見えないだけに、“これからどうしたら良いのか?”という問いに対する回答だって、そうた易くは出てきませんね。ただし、そのような場合は、発想の転換を意識したいと思います。この新型コロナ禍、時間を要すると思いますが、いつかは終息状態に落ち着くのです。そのように考えて、一所懸命になって想像力を働かせながら、この事態を何とか乗り越えようと、あれこれ対処されている姿が、あちらこちらで見かけるようになりました。その多くの事例は、発想の転換から発しているように感じています。

 新型コロナウイルスが、地球から消え失せることはないでしょう。当面は、感染拡大を阻止し、医療崩壊を招かないように臥薪嘗胆するのですが、その先では、発想を変えて、ウイルスとの共存・共生を考えなければならないような気がします。そこに、新たなビジネスモデル、社会システムが生まれてくるのではないでしょうか。健康サポート薬局の将来像は、不易流行と発想の転換で築き上げていかなければなりません。ハード面とソフト面を統合した新たなビジネスモデルを作り出すのです。それは、薬剤師一人ひとりの任務であり責務ではありませんか。今こそ、そんな認識を持って頂きたいと強く強く感じております。

 改めて、つくづく想うことがあります。平時の日々の当たり前に感謝することです。先人が築いてくれた社会システムに感謝することです。感謝という二文字は、最近のエッセイで何度も強調しております。感謝の気持ちをベースにして、新たなビジネスモデル創造に着手しましょう。

 もう一つは、“思い立ったら吉日”と心して、これで行こうと決めたなら、先送りせずに即実行することです。間髪入れずに、スピーディにチャレンジすることです。“失敗は成功の母”と、プラス思考で歩を進めるのです。

 これらは、いつの時代にも通用する不易の考動指針(思&行動指針)の一つだと実感させられています。

    井上  和裕(2020年5月18日記)

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