※エッセイ21は、今年2月に書きあげたものを、そのまま掲載させて頂きます。
今冬の寒さは、半端ではありません。正に厳冬です。
日中の気温もマイナスですから、氷柱も伸びません。軒先にも見当たりません。ラニーニャ現象による偏西風の通り道の影響が元凶で、数年に一度の厳しい冬のようですね。
日課にしておりますウォーキングも、着合いでは乗り越えることが出来ないほどです。頬の感覚を麻痺させてしまう乾いた空気、厚手の手袋をも突き通す寒気、… 徒歩での外出は、せいぜい30分がいいところでしょうか。年配者にとって大敵のヒートショックを意識して、無理のないセルフマネジメントを心がけております。
さらに日本海側では、連日の大雪です。その影響は、関東以西にも及んでいるようです。
1月も中旬を過ぎて、首都圏の寒さと雪による道路状況と事故の様子が、報道各社の番組で何度となく紹介されました。雪国では当り前の対策例を真剣にアナウンスされる声に、チョピリ複雑な心情が顔を出したり引っ込めたりしております。
「車には必ずチェーン着用を」「滑り止めの付いた靴の着用を」「厚手のコートで」そして「渋滞が予想されるので、朝はいつもより早めの行動を」……
そんな中、あるキャスターの一言が印象的でした。「雪国の方々は、そのような中で日々生活されているのです。……」と。
そう言われてみると、茹(う)だる様な暑さの熱帯夜、荒れ狂う台風の直撃、氷点下20度以下の最低気温、二階が出入口になるほどの豪雪、…… そのような日常環境の中で生活されている方々は、“備え有れば憂いなし”が、当たり前のこととして根付いているように思います。それぞれの地域事情や地域環境によって、その労苦や工夫の内容と程度は様々でしょう。「知る由もない」と言ってしまえばそれまでですが、そのような未経験の出来事に接して、ちょっと立ち止まり、それぞれの地域生活者の心情や苦労に思いを馳せる、そんな心の思考習慣を持ち続けることは、やはり忘れてはいけないと感じ入っております。
本日(平成24年2月8日)は、ある時期までは過去の苦々しい記憶であり、今は自戒としている経験談を呟いてみたいと考えております。
今でもまかり通っている“どうしようもない弊害的リーダーシップの例”~ 思いつき、思い込み、押し付け、三つのO(おー)
リーダーの主要任務の一つは、“ビジョンや方針を、根拠を沿えて明示すること”でしょうか。
私にとりまして、二昔(ふたむかし)以上前のことです。ある会社(以下N社)の主要直接部門のリーダー役員(以下L氏)がおりました。確か40歳代前半でした。
N社では、半期毎に社員大会があって、部門毎のリーダーが直属部下だけではなく全社員に対して、半期方針を明示し宣言する唯一の機会でした。
呟きたいのが、そのリーダー役員L氏の話す方針内容のことです。
毎回、表現は多少違えども同じような抽象的な方針なのです。そして、どこかで何度か聞いたような他人事の内容表現なのです。つまり、誰かの言葉をそのまま引用した(というより借用した)抽象的方針を、いかにもこれしかないと言わんばかりに、部下のネジを巻くような言い方をするのです。結局、「実行するのは君たちだから、後は君たちの責任です。宜しく…」と言っているのです。だから、核心をついた質問には立ち往生してしまうのです。
行き着くところ、苦し紛れの思いつきを、これしかないとばかりに思い込んで、部下に押し付けてお終いというスタイルなのです。
それ以降も、いくつかの組織において、同じようなケースにぶち当たりました。右肩上がりの業界において、よく見かける光景です。
そんなリーダーに共通する基本姿勢がありそうです。心の中で自戒の指針としております。
(2012.2.8)