エッセイ79:「五ナイ」精神は“アオイクマ”

投稿日:2015年1月5日

 明けましておめでとうございます。平成27年が幕を開けました。
 これからも、目の前の課題と向き合って、精一杯取り組む所存です。私のエッセイでは、日常生活や体験を通して気づいたことを中心に、そこから何らかの問題を投げかけ続けたいと考えております。倦まず弛まずの姿勢を堅持しながら……。本年も、宜しくお願い申しあげます。

 年初のエッセイは、五ナイ精神という私にとっての自戒精神について考えてみます。
 部下を持つ管理者向けの未活用の教材があります。1988年(平成元年)に作成しました、新任営業マネジャー教育用の教材兼手引き(マニュアル)です。所属組織で中堅クラスになった学び塾メンバーや、なかた塾の薬局長向けに手直しをしております。その教材兼手引き、『なんてったってアイドルになる具体的17ヵ条』と名付けました。
 その17ヵ条の各条文には、私の当時の未熟な心情や感情が反映されています。その時点では気づいていませんでしたが、20数年を経て、より客観的な眼で観察すれば、掲げた条文内容の原点や経緯が見えてくるのです。その原点や経緯については、別の機会に譲ることとして、その第13条を取りあげてみます。当時受講したマネジャー研修で学んだ精神と記憶しております。

「五ナイ」精神は“アオイクマ”

 先ず、手直ししました第13条をそのまま紹介しましょう。

第13条:顧客に対して「五ナイ」精神で接している人
 薬局長の頭痛のタネに、患者様やその他の顧客からのクレームがあります。例え、当方に落度が無かったとしても、苦情や抗議を受けることもあるでしょう。電話の場合には、相手の方の顔や姿勢が見えないだけに、ついつい言葉遣いや対応姿勢が粗雑になってしまう可能性も出てきます。
 そのような時に、一人ひとりが、冷静になって考えて頂きたいことがあります。考え直して頂きたいとことがあります。それは、「私たちの使命は何でしたか?」、「私たちの仕事の原点は何でしょうか?」という問いかけです。
 私たちの使命は、我が社の、私たちの仕事上のステイクホルダーに喜んで頂くことです。その上で、永続的な繁栄を実現し続けることではないでしょうか。頭痛のタネである苦情や抗議のクレームにこそ、喜んで頂くための大きなヒントが潜んでいる気がするのです。
 そこで、対人関係の鉄則とも言える「五ナイ精神」の出番です。五ナイの頭文字をとって、「アオイクマ(青い熊)」と呼んでみましょうか。

   焦らナイ/怒らナイ/威張らナイ/腐らナイ/負けナイ

 五ナイ精神は、私の自戒精神でもあります。当時、私自身に言い聞かせたのは、“負けナイ”、“腐らナイ”、そして“焦らナイ”でした。
 そして、このようなメモも残しております。どなたの言葉かは不明ですが、当時の私を支えてくれた言葉です。

  我、決してあせらず、くさらず、辛抱して平凡なことをやり続ける。
  我、不都合を人に押しつけない。相手の身になって、当り前のことをやり続ける。
  これ誠実なり。

 アオイクマは状況に応じた解釈が求められます。まだまだ未熟ではありますが、その奥が少しは見えてきたように思います。

                                                     (2015.1.5記)

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