> エッセイ&ニュース

ライン

ライン

記事一覧

エッセイ186:会議の担当者・司会者の基本心得あれこれ!

会議の担当者・司会者の基本心得あれこれ! 

 会議の実態や活性化に関して3回にわたって取りあげました。176回のエッセイでは、会議の機能をシンプルに見直した上で、それまでの実体験をもとに作成したチェックリストを紹介しております。活性化の入り口となる現状実態と問題点を把握することが主目的でした。それらを踏まえて、会議活性化推進のキーパーソンの一人である会議担当者や司会者が、どのような点を意識して運営し進行したらいいのかを考えてみたいと思います。
 本題に入る前に、復習も兼ねまして「会議の機能と参加者数・所要時間の関係性」をまとめておきましょう。
 連絡・報告や情報提供がメインであれば、人数制限の必要性はありませんから、参加者数が多くても構いません。ダラダラと時間をかけることなく、効率性を意識しタイムパフォーマンスを高める工夫をすれば引き締まった会議が実現できます。ただし、内容の本質が理解されることが目的であることを忘れてはいけません。
 経営幹部の所信表明や説示が中心となる定例会議、入社式などのセレモニー的会議も、先ほどのケースと同様ではないでしょうか。儀礼的要素が高いように思われがちですが、重要な方針や見解を直接聴く数少ない機会になります。経営者や経営幹部の説示・訓示の場合には、全社員参加ということもあるでしょう。可能な限り多くの関係者が参加できるような運営をすることです。進め方に関しては、必要な時間をキチンと予測して企画をすることが肝要となります。
 情報収集がメインの場合は、収集情報の重要度・緊急度によって、参加者数も時間も臨機応変に対応することがポイントでしょう。
 会議に求められる一番の機能は、“意思決定”の場であり、“相互理解・共有化”の場ということにつきます。意思決定に必要な“情報交換”、“質疑応答”、“相談・調整”という機能が、絡まり合ってきますし、そもそも“英知を結集して知恵を出し合う”場が会議なのです。議題によって出席者を適宜適切に選出しなければなりませんし、所要時間が大きく変わることもあります。
 いずれにしても、会議の機能と議題の性格(緊急度、重要度)によって、会議運営担当部署は会議の準備段階から心配りと的確な対応が要求されます。それも会議の目的に即した準備でなければ失格となるのです。そのような問題意識で対処することが、会議担当者・司会者の心得の大前提ではないでしょうか。

 いざ会議がスタートすれば、会議のリーダー的役割を担うことになります。それは、進行司会者の腕の見せ所であることを意味します。セレモニー的会議や伝達がメインの会議であれば、予定に沿った進行が中心となります。何よりも円滑な時間管理を優先すれば事足りる場合が多いでしょう。
 それ以外の機能を有する会議の場合は、限られた時間の中で、いくつもの役割を果たさなければいけません。ファシリテーター、コーディネーター、カウンセラー、ディレクターなど、状況に応じて演じ分けることが求められるのです。どうやって乗り越えていけばいいのか、会議の運営担当者・進行司会者の心得を“会議司会者の基本心得イロハ”と名付けて、10項目ほど考えてみました。当然の内容と思われるかもしれませんが、その当たり前が済し崩しにされてしまうことも現実には多いのです。実は、このような身近な小さな工夫の実践こそが、会議の形骸化を阻止する要諦なのだと感じております。
 余談になりますが、これらの心得の多くは、研修会におけるグループ討議の進行役の心得にも当てはまりそうな気がしております。

  会議司会者の基本心得イロハ

1.議題は事前告知を原則とし、より具体的な表現で明示する。
2.参加者は、会議の議題に関係のある人に限定する。
3.ホワイトボードのような共有化可能な書き込みツールを用意する。
4.参加者全員の顔が見えるような席の配置をする。
  ・コの字型、丸型など、参加人数に応じて工夫する。
  ・研修会の場合は、グループ分けをして島型で運営する。1グループの人数は6名前後がベスト。
5.席次は固定しない。役職に関係なくバラバラに座るようにする。
6.スタート時には、会議の目的と目標を明示し共有化する。
7.発言時間や休憩時間などの時間管理は、状況に応じてコントロールする。
8.議題によっては、グループ討議、グループワークを組み入れる。
  その場合、各グループの結論や経過・理由を、参加者全員が共有する時間を設ける。
9.文書化した議事録を作成して、参加者全員が共有する。
10.会議の成否は、運営担当者・進行司会者の責任という自覚を持つ。

                                          (2019.2.27記)

【参考①】会議の実態や活性化に関するエッセイ
 ・エッセイ166回:会議やグループ討議から得られる宝物(2018.6.10記)
 ・エッセイ171回:会議の六悪を見つめ直してみました(2018.8.1記)
 ・エッセイ176回:会議の機能と会議活性化のチェックリスト(2018.9.5記)

【参考②】私の考える“教育担当者の役割・機能”:エッセイ130回(2016.10.15記)より
    
 各組織が主人公となって、組織ぐるみで人材育成に取り組み、
      活き活きとした組織風土作りを企画・運営・推進する演出家(ディレクター)であり、
 社員一人ひとりが、自らを主人公と位置づけ、
      能動的に自問自答しながら潜在能力を引き出す促進役(ファシリテーター)であり、
 壁にぶつかった時の助言者(メンター)、聴き手(カウンセラー)、道案内人(ガイド)であり、
 『やって見せて、言ってきかせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ』を、
         いつでもどこでも実践している指導者(インストラクター、コーチ)であり、
 人と人、人と情報、人とノウハウ、人と資源を結びつけて、
         相互理解、相互啓発を推進する調整者(コーディネーター)である。

エッセイ185:成功確率が高い「問題解決の基本手順」

 今回のエッセイは、PDCAサイクルをアレンジした“成功確率が高い「問題解決の基本手順」です。184回のエッセイの補足資料になります。

成功確率が高い「問題解決の基本手順」

手順1:問題を把握する:観察
      自分が、グループが解決しなければならない問題を明確にする。
       ※発生している現象や状態の事実(ファクトベース)を、4直4現主義で調査。できるだけ数値化して、率直に表現。
       ※「直ちに現場で、現人を、現物を、現時点で」が4直4現主義
       ※背景や原因を問題とは言いません。

手順2:原因を分析する:分析
      問題がなぜ起こっているのか、その原因や背景を分析する。
       ※ 原因はできるだけ沢山だします。そして、それぞれの因果関係を整理して、重要な原因との相互関係を明らかにします。

手順3:対策案を列挙し整理する:判断
      その状況のもとで考えられる解決策を、できる限り列挙します。
       ※先入観を排除して、できるだけ沢山だします。
       ※これからの課題に取組む時は、必ず仮説を立てます。

手順4:比較選択する:判断 
      列挙した各対策案の長短を比較し、その状況に最も適した有利な実行案をひとつ選択します。

手順5:選択案の実行計画を立て、全体をチェックする
      対策案を実行に移す手順を、順序だてて具体的な計画にします。
       ※6W3Hを動員します。それが、具体化の鍵です。

手順6:計画に沿って、実行する

手順7:定期的に、進行状況を検証する
                                                 (140123改②)

エッセイ184:何故、なぜ、ナゼを反復すれば、根源的な原因が見えてくる

 181回・182回のエッセイでは、採用や新入社員教育のあり方、それらの試行錯誤事例の概要を取りあげました。“行き詰まったら、一度原点に帰ってみよう”という言葉に導かれて、白紙のキャンバスに向かって土台から作り上げることにしたのです。見直し作業でよくやる失敗例の一つに、過去を全否定し「変える必要のないところ(=変えても意味がない)」、「変えるべきではないところ(=さらに悪くなる)」までも変えて、負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。効果の出ないことにエネルギーを費やせば、メンバーのやる気までもが衰退してしまいます。見直す場合には、より知恵を働かせてメリットとデメリットを明らかにし、その時々の経営環境に応じて仕訳することが肝心でしょう。
 今回は、課題や問題を目の前にして、PDCAサイクルを回す時の基本的進め方を取りあげてみます。何度となく触れてきた内容が中心になると思います。

何故、なぜ、ナゼを反復すれば、根源的な原因が見えてくる

 20年以上も前になります。何かの研修で、ある問いかけをやってみました。“あなたの考える『仕事とは?』は何でしょうか”という質問だったと思います。ブレーンストーミング的なグループ討議でしたが、議論の中で意味深な一言がさらりと言いのけられたのです。“仕事というのは、日々発生する問題を解決することではないでしょうか!”と。考える間もなく、“言えてるネ”と納得してしまいました。そんな時に思いついたのが、問題の定義を明らかにして、メンバーが共有できる問題解決の基本手順を手引き化することでした。
 それから数年後、2年間だけでしたがドラッグストアチェーンの本部で人材育成の仕事に携わりました。入社早々感じたことは、自主的に考えて自律的な仕事の進め方ができていないことでした。そこで、仕事の進め方の基本修得を喫緊の教育課題として、“仕事の進め方の基本をスキル化することが何故重要なのか!”を含め、PDCAサイクルをより具体化した“成功確率の高い「問題解決の基本手順」”を作成し直したのです。その中でも最優先の課題と位置づけたのが、解決の入口であるPLAN(計画)でした。そこで、PLANの流れを五つ(「手順1:問題把握」、「手順2:原因分析」、「手順3:対策案列挙」、「手順4:対策案比較選択」、「手順5:実行計画立案」)に分けて、肝心要となる考動指針や留意事項も明記することにしたのです。(別紙参照)
 横道にそれますが、それから20年近く薬剤師の皆さん方と仕事を共にして、相変わらずPDCAサイクルのような仕事遂行上の基本スキル(共通専門能力)に問題があると感じております。顧客のためになる貴重な専門知識(固有専門能力)を勉強しても、その専門知識を十分に活かすための基本が身についていなければ、宝の持ち腐れになるでしょう。このことは、薬剤師としての可能性の扉をさらに拡げる度合いが、低空飛行状態のままであることを意味します。この件は、これまでのエッセイやE森で、何度も問題提起してきたテーマです。

 話を本題に戻しましょう。
 PLANの五つの手順の中でも、手順1と手順2がポイントではないでしょうか。それが私の実感であり見解なのです。成果につながる一番の勘所であり、この二つをしっかり押さえておけば、八割方問題が解決したといえると思います
 先ず手順1の問題把握から考えてみましょう。最初の関門は、問題の定義を再確認し共有化することです。その理由は、問題と原因を混同して迷路に入って彷徨うことがあるからです。この点が最初の関門だと常々感じております。問題とは、目標・あるべき姿(理想像)・ルールと現実の姿とのギャップのことです。そのギャップが何なのか、どれだけのギャップなのかを、四直四現主義(直ちに現場で、現人を、現物を、現時点で)で、事実(ファクト)を積み上げて、可能な限り数値化することが基本でしょう。この段階では取組み姿勢が旺盛ですから、メンタル的に熱くなって解決を急ぐ傾向が見受けられます。過去の経験が邪魔したり、先入観が幅を利かせたり、冷静さを欠いて拙速な方向へと進みがちになります。時間を要することも厭わない客観的で冷静な見解こそが、以降の手順のムリ(無理)・ムラ・ムダ(無駄)を防ぐのです。

 次は手順2についてです。
 問題を明らかにしたら、その問題がなぜ発生しているのか、原因・背景・経緯を分析し、それらの要因を絞り込むことが次の手順です。この原因分析は、PDCAサイクルをスパイラルアップさせるための基盤となります。原因の判断違いは、それ以降の手順が徒労に終わることを意味します。私が実践している分析作業では、次の二つのステップを踏むようにしております。
 先ず、原因と思われる項目をリストアップすることです。それも、可能な限りたくさん出すことを意識したいのです。この段階では、質より量といえましょう。
 次のステップは、知恵の絞りどころになります。キーポイントが二つあります。
 一つは、原因の原因を追求することです。つまり原因Aであれば、原因Aの原因、つまり原因Bの追求です。さらに原因Bの原因である原因Cへと連鎖させて考えることで、問題発生の本質的原因が明らかになってきます。このやり方を5W法といいます。原因Aに対して、WHY(何故?)を5回(WHY→WHY→WHY→WHY→WHY)も繰り返して、真の原因により近づけていこうというやり方です。WHYという問いかけを繰り返すことで、問題発生の原因を掘り下げて、本質的で根源的原因に辿り着くことができます。対症療法だけで済まさないで、同じ問題を繰り返さない根治療法を追求したいのです。問題解決のあり方は、その時々の状況に応じて対処することになりますが、本質的側面に着手しなければ、喉元過ぎた段階で再発生する可能性が高くなるでしょう。同じ愚を繰り返さないためにも、様々な分野で応用可能な5W法をもっともっと活用するべきだと感じております。
 もう一つは、整理整頓してまとめあげた原因一つひとつの相関関係にも目を向けて体系化することです。そうすることで、複数ある原因の優先順位や原因それぞれの関連性が見えてきますから、以降のステップである対策案列挙(手順3)、対策案比較選択(手順4)がより円滑に進められるでしょう。より的確な対策案の選択が可能になります。

 右肩上がりの成長神話が崩壊してから、経営資源の効率化と即効性がマネジメント推進上の優先的目標になりました。その結果、時間を要する根治療法が敬遠されて、目先の対症療法を容認する傾向が促進されたのです。WHYという問いかけが疎まれてしまいました。最近気になることの一つに、企業不祥事が繰り返されていることがあります。それも、“あの一流企業が再び……”、“えっ…、あの企業が……”という具合に…… 。そして、官公庁や各種団体までもが、同じ不祥事を繰り返しているように見受けられます。問題が発生した時、その多くは対症療法から着手するでしょう。しかし、同じ轍を二度と踏まないように本質的・根源的原因を解決する根治療法を、同時に進めていかなければいけません。有名企業や行政機関の相変わらずの体たらくからは、口先だけの抽象的対症療法で嵐が過ぎ去るのを待っているとしか思えないのです。そんな問題意識が、5W法を思い出させてくれました。“5W法よ、永遠に!”と声高に申し上げたくなったのです。

 最後に、私の初心話を初公開させて頂きます。今だから笑いを交えて紹介できる話ですが、何とも嘆かわしい未熟な時代の実話なのです。過去の赤面話としてではなく、自戒の教訓として公表したいと思います。
 5W法の5W(WHY→WHY→WHY→WHY→WHY)を、5W1Hの5W(WHAT、WHY、WHO、WHEN、WHERE)と誤解していた時期がありました。教育担当なりたての頃です。私の担当する中途採用の新入社員研修で、「5W法の5Wは、5W1Hの5Wと同じです」とやってしまったのです。当然のことですが、直ぐに先輩講師からチェックが入りました。それ以降どのような心境で進めたのか、今でも忘れることはありません。
 当時は、教材研究はもとより、準備のイロハも分からないままに、講師業務を担当しておりました。決して消えることのない、私の“初心忘るべからず”の第1号ですね。場所も光景も、そしてその時の心情も鮮明に残っております。この経験以来、準備万端調えることを、6W3Hで行動レベルまで落とし込んだ具体的準備を、誰よりも早期着手という指針のもとで続けております。

                                                   (2019.2.18記)

エッセイ183:この道はいつか来た道~人のふり見て我がふり直せ

 北原白秋(詩人:1885年~1942年)をご存じない方はいらっしゃらないでしょう。「からたちの花」を始めとして「ペチカ」「あめふり」「あわて床屋」「柳河風俗詩」など、数多くの詩が愛唱歌として作曲され、そして合唱曲として作曲・編曲されており、学生時代に好んでハモった(合唱した)思い出があります。とりわけ馴染みが深いのは、「からたちの花」と「この道」、そして「柳河風俗詩」でしょうか。最近は“この道は、いつか来た道”という件(くだり)が、脳裏を行き来することがあります。恐れ多いような気もしますが、その理由を呟いてみたいと思います。

この道はいつか来た道~人のふり見て我がふり直せ

 新年度の4月になると、次のようなマスコミ記事を目にすることがあります。「新社会人さん、ここに気を付けましょう」ランキングです。ランクインされる項目は、挨拶、言葉遣い、仕事の進め方の基本、積極性などの行動姿勢・取組姿勢に関することがほとんどです。報道されるまでもなく、新入社員の配属先において、先輩諸氏の似たような批評を耳にします。私が社会人になってからの50年間、言い方は違えども聞かされ続けている表現があります。“最近の若者は、……… が出来ていない”、“今年の新入社員は、……. に問題がある”などです。先ほど紹介した「新社会人さん、ここに… 」ランキングと、その内容は変わりありません。それらの発言は、経験を積んだ先輩の成長した証であり、その位のことが言えて当然だと思うのですが……。
 このようなこともあります。仕事遂行能力がレベルアップして、所属組織での存在価値が高まってくると、上司や組織運営に対する不満や批評を口外するようになることです。それだけ実力が高まった証拠ですから、そのこと自体に苦言は呈しませんが、チョッピリ考えさせられることがあります。その方々が、批評した上司の後釜として同じ職責を背負った時に、部下や後輩から同じような不満や批評を浴びてしまうことです。かなりの頻度で見てきました。そのような壁を乗り越えて成長するのが人生ですから、謙虚な姿勢で対処することを願うばかりです
 取りあげたケースをウォッチしながら、次のような天の声が聞こえてくるのです。“ちょっと待ってよ。そういうあなたが新社会人だった当時はどうなのよ?”、“あなたが抱いていた同じ不満を、あなたの部下に感じさせていませんか?”という素直でストレートな声です。
 私はある時、それと同じような実態の自分の姿を恥じたことがあります。正に、“人のふり見て我がふり直せ”であり、“新人たちが歩んでいる道をあなたも歩んでいませんでしたか?”という自問なのです。“実は、私もそうだった”と謙虚に自覚することで、発する言葉の中身を考えるようになるのです。裏表の見解を併せ持って接することで、それまでと異なる物語が描かれていくのです。この道はいつか来た道であり、ほんの一時心に赤信号を灯して立ち止まって我が身をふり直し、後輩たちと共に考える大人でありたいと思うようになりました。 
 “人のふり見て我がふり直せ”とは、他人の言動の善悪を見て、自分自身の言動を反省して、改めるべきは改めなさい、という教えです。新社会人や中堅クラスの後輩の歩く未熟な道は、私自身がいつか来た道であり、場合によってはいつか通る道なのです。そのことを前提として、人のふりを見たなら、先ず我をふり直して歩んでいくべきだと思います。
 何年も前から、人生経験を積み重ねた中高年や高齢者の目を覆いたくなる行動、耳を塞ぎたくなる言動には、ガッカリさせられるだけではなく、胸が痛くなるほどのことが起きています。社会を背負って立つ真面目な若人に申し訳なく思います。幾つになっても不完全であることに変わりはありませんが、「さすが人生経験豊かな先輩…」と言われる日常を目指したいと思います。イヤなものを見聞きしたら、「この道」(作詞・北原白秋/作曲・山田耕筰)を口ずさんで、穏やかな心で我が身をふり直したいと思います。
                                                  
                                      (2019.2.4記)

エッセイ182:私の気づきは、「基本の大切さ」と「考えることの必要性」

 前回のエッセイでは、新入社員教育のあり方を、それまでの経験則や先入観から離れて、ゼロベースから見直した経緯と着眼点を中心に取りあげました。見直しの根っこには、新卒を含めた薬剤師の採用難が続いていることがあげられます。要員確保という難題が、常に頭から離れません。人材紹介会社にすがったこともありましたが、結局は自力で解決するしか道がないことも教わりました。あれこれ手を打ってはみますが、発芽するまでには至らないのです。原点に返って、新卒薬剤師の採用基本コンセプトを再定義して、一人ひとりの自立促進を啓発するやり方にこだわりました。
 薬学生の採用に関わって20年近くになります。10数年前からは、その時々の就職活動で感じた問題提起と方法論を中心に、長期的視点で共に考えるコンサルティング手法の採用活動を続けて現在に至っております。しかし、岩手県沿岸の薬剤師過疎地では、努力しても思うような実績に結びつかないのが実態です。それでも基本コンセプトは変えることなく、知恵を出して新たなやり方にチャレンジしたのが3年前になります。決めつけていたデメリットを逆手にとり、地域に根付いた小企業だからこそ実施可能なオンリーワン志向の会社見学会を企画して、「なかたシップ」(参照:エッセイ160回)と命名しました。逆転の発想の一つかもしれません。ちなみに弊社のメリットは、「フットワークの良さ」、「意思決定の速さ」、「全社的意思共有レベルと協力度の高さ」、「築き上げた他職種&多職種連携と相互支援実績」、「地域包括ケア先進地域の薬局」と認識しております。
 なかたシップは3年間で6開催しました。参加者の多くは、弊社の選抜選考試験を志望してくれています。初めて釜石を訪れた首都圏の薬学生からは、釜石エリアにおける地域包括ケアの進捗状況、多職種連携実態を目の当たりにして、“それまで抱いていた薬局薬剤師業務の可能性に対する閉塞感が払拭された”、“やる気が湧きました。それが一番です”という声を頂きました。今年度2名に続いて、平成31年度も3名の新卒薬学生が入社予定です。そんな3年間の手応えが、新入社員教育の抜本的見直しを後押ししてくれたと思います。
 今回のエッセイは、新任薬剤師Mさんの新入社員研修レポートを紹介しましょう。Mさんとは、就職活動のアドバイス、Mさん自身が立ち上げたサークル活動への支援を通して、4年生の時から関りがありました。回りまわって、同じ会社で学び合う間柄になったのです。
 お願いしたレポートは、以下のような問いかけになります。

  ●平成30年度新入社員導入研修も、残すところ一開催になりました。
   この数ヶ月間を振り返って、あなた自身が感じたことや気づいたことを中心に、
                             新入社員導入研修のレポートをお願いいたします。
   研修内容を、さらにスパイラルアップするための参考にすることが一番の目的です。
   自分自身の言葉で表現してください。イッパイ書き出してください。

私の気づきは、「基本の大切さ」と「考えることの必要性」

 企画し運営する人財育成責任者として、身につけて欲しいこと、気づいて欲しいこと、理解して欲しい本質的な側面は、あれもこれもと欲張り満載になります。それは当然であり、同志に対する期待度の表れなのです。しかし、私自身の50年前の姿を客観的に省みれば、あれもこれも身に付けることは“無理偏にゲンコツ”であることが明らかです。無理を承知で詰め込みを繰り返せば、押し付けと受け取られモチベーションを下げてしまいます。ここは、“焦らない”、“怒らない”、“威張らない”の三ナイ精神で、消化不良にならないように、育成目標の優先順位に沿った状況対応が基本と考えるようになりました。私の場合、「問題解決の思考プロセス(観る、聴く、感じる→考える、組み立てる、掘り下げる→表す、伝える、説得する)の理解と共感」、「修破離の理解」、「行動と意識をセットで革めることの本質の理解」の三点を、上位三項目としております。将来無くてならない人財の重要な必須要件でありながら蔑ろにされていること、その真意を理解するまでには時間と経験を要することが、優先順位の上位三項目とした理由の根幹なのです。
 Mさんのレポートから、平成30年度新入社員教育の手応えを感じております。以下、レポート内容の全文を紹介したいと思います。平成31年度は、さらに充実した仕組みにするという気持ちを、一層強くしてくれました。


 研修を振り返って大きく2点、①基本の大切さ、②考えることの必要性に気づくことができた。
 ①基本の大切さ
 研修初日の「入社3年間は徹底した基本修得の3年間にしよう」という言葉を皮切りに、研修では基本が身についていないケースや真のプロとアマ(プロではない)との違いなどを考えて基本の重要性を考えた。
 基本が大切なことくらい誰だって分かっているから、本来ならこんなことはスルーされるが、研修中は何度も基本の大切さに触れた。それには何か理由があるはずだと考えた。それはおそらく、なぜ基本が重要かを聞かれたら答えられる人は少ないからではないだろうか。また、基本が身についていない人(プロではない人)ほど他人のせい、つまり他律要因にしまいがちになる。他律要因が多ければ、PDCAサイクルはうまく回らずに失敗を繰り返していく。さらに、今の私はプロなのだろうかと考えた。世間から見れば薬のプロと思われる・見られているかもしれない。しかしながら、まだまだ知らないことが多く、先輩方と比べたら経験値も少ないため、まだ本当のプロではないと感じる。だからこそ、真のプロを目指すべく素直に教えを乞い、必死に学んで基本修得の徹底を行う必要があるのだと思った。
 ②考えることの必要性
 まことプロジェクトを通して考える意識は段々と身についてきたが、今回の研修期間では登場した重要な鍵となる言葉(文章)が言わんとしていることは何か、意味を自分なりに考えるようにした。そうすることで、日常に溢れる教えの根源や日々の成功または失敗の出来事の要因となっていることに気づき、共感・納得する、その繰り返しだった。
 例えば、私達は「自分に厳しく、人には優しく」という言葉をよく耳にする。優しさ・厳しさの定義が若干異なるかもしれないが、この言葉は研修でいうところの「自分のこと:相手のこと=49<51の姿勢」や「克己心と自助力」ではないだろうかと考え、その言葉に納得した。
 ところで、研修期間中、井上さんがこれ程までに考える意識を身につけさせようとしているのはなぜなのか。私の答えは薬剤師の役割を全うするため、患者さんの声を傾聴するために必要だからと考えた。薬剤師法の第一条には「薬剤師は調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生をつかさどることによって…」と書かれている。そのうち、薬局薬剤師が大きく関わるのは調剤の部分である。処方せんに沿って薬を正しく集めることが調剤であるなら、薬剤師ではなく、他の人間(下手したら子供)や機械にだってできる。しかし、調剤が薬剤師である理由なのはあれこれと考え、医薬品の適正使用と医療安全の確保を図ることができるからだ。その役割を果たすためには「考える」過程が外せない。また、患者さんが薬の持続時間を聞いてきたとする。その質問の裏には患者さんは、ある時間になって症状が出てきて不安を感じていたり、その時間をもとに調節して薬を服用しようと考えていたりする。加えて、患者さんが訴える症状は教科書通りに行かないことがほとんどだ。だから、私達は患者さんが薬剤師に伝えんとする意味全体(内容や気持ち、状況)を必死に考えて、イメージを広げ理解する。それができてやっと「傾聴」となる。傾聴するためには考えることが尽きない。考えが足りなければ患者さんはこちらに心は啓かない。つまり、信頼される関係は築かれない。
 さらに、考えることの必要性は、①基本の大切さで述べた他律要因ばかりではPDCAサイクルをうまく回せないことにも繋がる。他律要因が多くなってしまうのは考えが足りないことも関係してるため、自分を客観的に見て、自律要因を探す(考える)必要がある。よって、「考えること」は薬剤師の役割を遂行するため、患者さんの声を傾聴するため、目標達成・問題解決に必要だから、常に考えるように努めなければいけないのだと思った。
 研修期間で気づいたことは、普段の流れていくような業務中では、なかなか考え、気づき難い。だから、ふとした時に、ある経験をした時に、気づくことができるように ひっかき傷をつけられたのだと感じた。研修が終了しても、この傷を消さないように大事にしていきたいと思う。

                                                (2019.1.23記)

エッセイ181:人財育成は10年先(長期的視点)を見据えて誂える志事

 人は誰でも、さらに伸ばしたい長所・美点、改善したい短所・欠点を併せ持っています。その具体的な中身は十人十色であることはもちろんですが、状況によって長所と短所が反転することもあります。“禍を転じて福と為す”或いは“失敗は成功の因”的なことだってあるでしょう。生活環境や仕事環境、そして対人関係も、だから味わい深さ、不思議な趣き、そして面白味を感じることがあります。一度や二度の失敗で落ち込むことはないし、クヨクヨなんて不要と思うこともありました。
 課題達成の計画案、問題を解決する時の対策案にも、同じことが言えるのではないのでしょうか。知恵を出し合って決めた対案には、メリットとデメリットがあります。ですから、列挙した対案を比較選択する場合、メリットとデメリットを真剣に吟味して、それらを一つひとつ検討したうえで最終決定することが、実施結果を左右することになります。
 そのメリットとデメリットは、経営環境の変化で変わってきます。定例的に継続開催される行事や取組みの場合、実施することが目的化されてしまい、メリットが見失われるだけではなく、デメリットが表に出てきても見過ごされてしまうことがあります。どんな仕事でも、マンネリ化の可能性を秘めていますが、気づき難いだけなのです。そのような危惧を感じながら、平成30年度の新卒新入社員研修を見直しました。今回のE森は、その経緯と着眼点を取りあげてみましょう。

人財育成は10年先(長期的視点)を見据えて誂える志事

 一昨年の立秋過ぎになります。平成30年3月卒業予定の薬学生2名が入社することになりました。30年以上も新入社員教育を企画し運営してきましたが、教材はもとより、あり方や進め方も含めて、それまでのやり方を見直す決意をしたのです。見直すというよりも、ゼロベースから新設計図を描くという感覚でした。現状に対する不満や問題意識がそうさせたというよりも、マンネリ化したと思える私自身の行動姿勢が理由だったかもしれません。
 思い立ったら速攻屋の私は、着眼大局という視点を忘れずに、それまで実施してきた新入社員教育のメリットとデメリットを、つぶさに書き表しました。過去30年間の仕事経験や薬学生とのプロジェクト活動で感じたことをもとに、育成課題の兆候や教育ニーズの把握に努めました。その上で、“人材育成の仕組みと教育ニーズとの適合性はどうか?”、“目的・目標が明確か、そして適格か?”、“客観的なデメリットは何か?”など、それまでの経験で得たものから離れて、本質に向かって掘り下げてみたのです。入社後の日常業務における育成のあり方についても、作りあげる問題という視点で考え直しました。その過程で参考になったのが、2013年(平成25年)に11名の後輩から頂いたレポート『人生の先輩から見知らぬ後輩への伝言』です。そのレポートは、現在も関わりを持っている50才前半から30才前後までの現役ビジネスパーソンから新社会人への貴重なアドバイス集なのです。
 私が目指しているのは、目先のことに囚われないで、長期的視点に立った人財育成プログラムを誂えることです難題ですが、10年先、20年先を見据えたカリキュラムを編成することです。“問題意識を高める”、“掘り下げて考える”、“意思決定したことを公言し伝える”という、問題解決の思考プロセスの修得を進め方の中心に据えて企画し運営することです。“人間としての成長”を育成目標のトップに掲げて、相手の立場に立つことの難しさ、信頼と安心のコミュニケーション実現の難しさを体得する機会を、可能な限り組み入れることも意識しました。日程とカリキュラムを確定するまで、延べ数週間以上かけて土台作りに腐心したと思います。その過程で考えた運営指針も紹介しましょう。
 「内発的自己動機づけの持続・継続・スパイラルアップ」、「一人ひとりが考える。考えたことを発表する。熟議して意思決定する。決めたら誠実に実行する。行動事例をコツコツ地道に積み重ねる」、「応答の対話で、理解&共感&共鳴へと紡ぐ」、「人財育成プロセスのストーリー化」、「自主運営、自力解決」、「成長=根気×積み重ね×継続の具現化」「復習と振り返りの充実」、……。これらの指針の主語は、私であり受講対象者になります。
 抜本的見直しの志事を通して、何処に目をつけるのかという着眼点(視点)、そして理念を具現化できる業務遂行能力の重要性を感じました。“だから人財育成なのだ”、そして“人財育成はエンドレスなのだ”ということを、改めて認めさせられた気がします。

                                       (2019.1.17記)

エッセイ180:理解しておきたい組織運営に関する基礎知識

 2018年(平成30年)は、体調の芳しくない年でした。
 安定していた血圧でしたが、昨年(平成29年)10月辺りから高めが続いたことで、それまでの降圧剤が変更になりました。併せて、しばらく血圧を測定することにしました。1月半ばから2月下旬まで、1日5回(起床時、10時、12時、16時、20時)を目安に、実態把握に努めたのです。日々の血圧の状況が分かったことで、メンタル面にも良い影響が出てきたようです。実態を正確に把握しておくことの重要性を、改めて突き付けられたのだと思います。
 一番のストレス源となったのが、今年1月半ばから気になりだした不整脈です。2月のある日、今まで自覚したことのない徐脈が続いたのです。1時間おきに数分間続いたという感覚でした。気が動転していますから、もっと短い時間、せいぜい10秒前後だったかも知れません。また、1日に何度か左胸に痛みを感じ出し、不整脈に対する不安感が痛みを増幅しているような気にもなりました。初めて不整脈が気になったのは5、6年前だったでしょうか。もっと以前だったような気もします。数年おきにホルター心電図検査をしておりますが、2年前の検査では、不整脈は出ているが気にする必要はない、との診断でした。しかし、不安が消えることはありません。些細なことでも気にする性質ですから、検査可能の病院で心臓CT検査を行いました。検査は3か月後でしたが、血管のつまりもなく“90才になっても検査は不要”という結果でホッとしております。
 ゴールデンウィーク過ぎからは耳鳴りがひどくなり、今でもその状態は変わっていません。6月からは、午前中にめまいを感じることがあり、日課のウォーキングも飛び飛びになりました。春先の右足首の痛み、春秋の腰痛は、判を押したように毎年出てきます。また、逆流性食道炎、慢性胃炎の影響か、食後の胸焼けや鳩尾(みずおち)の鈍いような痛みが気になる時もあります。
 毎日パソコンに向かいます。そのせいでしょうか、目のピントが合い難くなりました。年数回ですが、目の真ん中あたりに、菱形の縞模様に似た影が眼球の動きに合わせて行き来することがあります。30分ほどで元に戻りますが…。それ以外にも違和感を覚える症状が、いくつもあります。
 振り返ってみると、体調が芳しくなかったことから、総合病院を受診したのが57才前後だったと記憶しております。私が感じている体調の状況は、言葉を変えながら通院の度に訴えました。ひと月半後、以降は開業医への受診を勧告され、併せて、どこか突き放すような皮肉交じりの言い方で、メンタルクリニックへの受診勧奨もされました。それまでの治療の過程で私が訴えたことをどれだけ理解して頂いたのか、釈然としないまま病院を後にしたことは、今でも忘れておりません。医師の多忙さは理解しているつもりですが、それ以降、症状を訴えるにしても、何かを期待することは控えて、簡単な報告で済ますようになりました。
 個人的な前置きが長くて恐縮です。今年1年間の私の体調を披露したついでに、医療従事者のコミュニケーションの原点について、患者という立場の私的な見解を要望という形で申しあげたいと思います。医療行為(診察、診断、治療)の過程では、不安や関心事を含めた患者ニーズの把握が基本の一つではないでしょうか。そんな当たり前が、何か蔑ろにされてはいないかと気になることがあるのです。患者とその家族のQOL向上・自立化支援を柱の一つとして、ニーズをキチンと把握した上で、柱に沿った説明と対話をして頂きたいと思うことがあります。それも患者本位で、より分かり易く、納得し共感できる表現でお願いしたいのです。今年のE森では、コミュニケーションの質的向上のあり方を、共に考える姿勢で数多く取りあげてきました。常に頭から離れないのがコミュニケーションのあり方ですから、今回も取りあげてしまいました。それだけ、気になってどうしようもないからです。これからも気づいた都度、共に考えて議論したいと思います。

 さて、平成30年の締めは、組織運営に関する基礎知識を取りあげてみましょう。ここ十数年間、それらに対する無理解が多いと感じているからです。元来、就職活動のスタート時期に、本質的教育課題として取りあげるべきテーマだと思います。百歩譲って、社会に出た時に、企業人の基礎知識として学んでおくべきことなのです。薬局業界と薬学生の緊急課題の一つだと感じています。

理解しておきたい組織運営に関する基礎知識

選んだ理由が何であれ、従事した仕事のプロとして立派に任務を果たしていくためには、組織の目的、役割分担やチームワークに関する基礎知識を理解しておくことが重要となります。
全ての組織には、必ず目的があります。目的を達成するために、チームワークというやり方で仕事が進められています。当たり前に使われているチームワークというのは、組織の共通目的に向かって、所属するチームメンバーが自分の役割を認識し、役割をキチンと果たし、場合によっては相互に協力し補完し合いながら、共通目的を達成していこうとすることです。
 例えば、野球というチームスポーツで考えてみましょう。先ず、「試合に勝つ」或いは「優勝する」という共通目的があります。その目的を実現するために、投手、捕手、内野手、外野手、指名打者といったようなポジションがあります。さらに、攻撃する時の打順というポジションもあります。それぞれに基本的役割があって、メンバーは自分自身の役割を認識して最善を尽くします。さらに、その時々のゲーム全体の流れや状況に応じて、臨機応変な対応をしながら、チームを勝利に導いていくことが任務なのです。これが組織運営の基本ということになります。
 会社の仕事についても、同じことが言えます。
 それぞれの所属する会社には事業目的があります。代表的なのが、企業理念や方針と呼ばれるものですね。数多くの同業他社との競争の中で、その事業目的を効果的・効率的に具現化するために、多機能化した役割を分担し合う分業体制をとっています。その仕組みが組織(或いはチーム)です。会社における配属先は、その組織の一つということになります。プロ野球と同じように、会社の事業目的を実現するために、会社の各組織のメンバー一人ひとりが、それぞれが分担する役割を理解し認識して、お互いが協力し合うことによって仕事が進められています。会社の中で分担する仕事を職務と呼び、それはスポーツのポジションにあたるものです。
 どのような業種業態であっても、多くの場合、一人の力で完結するという仕事は、あり得ないと思います。自己完結型と思えるような仕事であっても、その仕事は、会社全体の中のある部分を担い、会社全体の活動の中に反映されるものです。どんな仕事であれ、個々の仕事はそれぞれに役割を担い、それぞれが個々に結びついています。また、仕事への姿勢や行動などは、周囲の人、職場の雰囲気に影響するものです。あなたの仕事も、何らかの形で他の人の仕事に結びつき、何らかの影響を与えています。このように、直接的にも間接的にも、仕事はチームワークによって進められており、相互に影響し合っていることになります。
 ですから、一人ひとりが自分の役割を責任もって果たすことが第一です。しかし、そのことは自分の役割のことしか考えないということではありません。個人の仕事は全体につながり、全体の動きは、個人の仕事に影響してきます。自分の仕事をしっかりと行うと同時に、全体に目を向け、常に自分のやるべきことを捉えながら動くことが大切なのです。一人の力では達成不可能なことでも、協働という仕組みのもとで達成することが可能になるのが、組織運営のメリットと言えましょう。
 もう一つ大事な視点があります。チームワークのウイークポイントの存在です。仕事は流れですから、私の仕事と次の仕事には見え難い隙間があるということです。わずかなグレーゾーンといえましょうか。そこには、ミスの芽が存在するのです。誰の役割でもない(=誰の責任でもない)隙間が、思わぬアクシデントやミスの温床であることも現実問題として存在します。ですから、そういう認識を持って対処することを怠ってはいけません。そのような理由から、協働意識を育むことが人材育成上の重要なテーマになると思います。

 人類は、それまでの長い経験を通して、それぞれの組織を秩序よく運営するためには、何が一番大切であるかという基本を学んできました。今回のエッセイでは、その当たり前の基本を取りあげてみました。この基本は、ビジネスパーソンが理解しておくべき前提条件であり、企業規模の大小や業種業態を問わない企業運営の土台なのだと思います。
                                         (2018.12.10記)

エッセイ179:その気になれば自己啓発教材はイッパイある

 数日前になります。今年もインフルエンザワクチン(以下、ワクチン)を接種しました。初めてワクチンを接種したのは、2001年11月初旬でした。17年前のことですが、料金は3,500円だったと思います。
 それまで、年数回は風邪に罹り、毎年1回は数日間寝込んでおりました。確か45歳過ぎだったと思います。新人事制度導入という仕事を抱えていたこともあって、心身に無理を強いる日々が続いていた時期でした。インフルエンザをこじらせてしまい、肺炎と診断されたことがありました。
 その後、20数年間お世話になったK社を退職した年、そのK社で同じ仕事に携わっていた近畿在住のNさんから、核心を突いた指摘をされたことを思い出しております。「井上さん、忙しいからと言って、インフルエンザになったらシャレにならないよ!」と。それは、薬剤師有資格者でドラッグストアの人事教育責任者である私に対する、共に育んできた信頼感からくる親愛表現だったのです。転職入社一年目でしたから、“風邪で具合が悪いので休みを頂きます”と言える状況でもありません。自身の備えという視点、感染予防という観点からも、ワクチン接種を選択したのです。以来、インフルエンザとは無縁です。風邪をひいても寝込むことはなく軽い症状で済んでいます。
 接種した翌日、E森の原稿やメモ書きの整理作業を行いました。その中から、昨年(平成29年)12月23日(土)の出来事と、翌24日(日)に考えた事・教わった事を呟いてみます。

その気になれば自己啓発教材はイッパイある
 
 12月23日は天皇誕生日です。昨年は土曜日でした。午前中はお墓参り、そして正月料理用の食材の買い出しを行ないました。冬にしては穏やかな日和でしたから、12時半過ぎからウォーキングのために自宅を出ました。
 道路に出て直ぐのことです。見知らぬ通行人から“救急車を呼んでください”と急かされました。路上の真ん中で、同じ町内のMさんが、うつ伏せで倒れていたのです。顔面を強打したのか出血しており、意識も無いように感じました。その場からほんの数メートル先の信号付き十字路には、路線バスが通行できずに停車しており、慌てながら119番しました。
 見渡せば、Mさんを道路脇に運ぶ人、介抱する人、交通整理をする人、救急車誘導のために待ち構える人など、確か10名弱の居合わせた方々が、何らかの対応をされていたと思います。私と同じ年代と思しき方から20歳代前半の方まで、“今何をしなければならないのか”を、それぞれの判断で遂行されているのです。救急車の手配を終えた私は、事の次第を伝えるためにMさん宅に向かいました。家族の方をその場にお連れした時には、Mさんは既に意識を取り戻しており、警察の方が聴き取りを始めていました。救急車で運ばれたMさんでしたが、翌日に元気な姿を拝見してホッとした次第です。
 振り返って考えてみれば、いくつかのことを学び、そして感じました。
 先ず、119番した時の質問への返答に関してです。冷静であれば何ら難しくないのでしょうが、イザという時には、なかなか文言が出てこないのです。私の場合は場所でした。自宅から10㍍も離れていない場所でしたが、住所は直ぐに答えられても、質問された目安となる施設や店舗の名称がなかなか出てこないのです。普段であれば答えられても、緊急時には、そうはいかないことが分かりました。備えの引き出しが、一つ増えたと思います。
 二つ目は、自主的に交通整理をしてくれた若い男性の行動姿勢です。大学生か新社会人ほどの年令だと思います。車が通行可能なのは片側一車線だけでした。いくら交通量が少ない通りとはいえ、時間の経過とともに車が混み始めたのです。その方は、渋滞にならないよう上手にコントロールして交通整理を行っていました。警察官が到着するまでの数分間だったと思いますが、即応していた姿が何とも頼もしく感じられましたね。救急車の到着後、ある程度落ち着いた状況を見計らって、立ち去ったようです。警察の方からの質問に答えていたので気がつきませんでしたが、何とも状況対応力に優れた、清々しい若者の姿に感心させられました。

 翌24日は、日曜日のクリスマスイブでした。その日の切り抜き記事がいくつか残っていました。朝日新聞の一面には、『国連安全保障理事会における北朝鮮への新たな制裁強化決議』、『天皇陛下84歳の誕生日を祝う一般参賀(写真付き)』などが掲載されています。今でも残している記事は、『フォーラム“横断歩道、止まらない?”』(オピニオン面)、『未来ノート-202Xの君へ-体操・白井健三』(スポーツ面)、『折々のことば 971』(一面)、『窓“手紙を握って、配達ルートへ”』(社会面)の4点でした。
 私が切り抜いている記事の多くは、その時々の問題意識の網が掬い取ったものばかりです。私自身の考え方を、より幅広く、より深く、よりしなやかに、そしてより強くしてくれる教材になるのです。それ以上に、“無知の知”を明らかにしてくれます。それまで知らなかった出来事、さらには人のあり様を知るきっかけとなり、謙虚に学ぶことを促してくれる存在なのです。
 『折々のことば』は、『天声人語』や『経済気象台』とともに、視野拡大の格好の教材になります。私の固定観念に横やりを入れて、着眼点を増やしてくれます。その日は、“サンタクロースがいなければ……”でしたが、200文字前後の表現に至るプロセスに興味がつきません。見る角度によって異なる見解に、考え続ける意欲が触発されます。
 『フォーラム“横断歩道、止まらない?”』は、“日本では信号機の無い横断歩道で車が止まらない”ことを、3回シリーズで取りあげた2回目の記事でした。実は、以前から同様の問題意識を抱いていた私が7年前に呟いた内容です。相変わらずの実態を確認できましたが、コンプライアンスのケーススタディ事例の一つにしたいと考えております。
 一番心に響いた記事は、『窓“手紙を握って、配達ルートへ”』です。地元のバス会社に勤務するI子さんは、東京での大学4年間、新聞配達を続けたそうです。最後の集金の時に、配達先のUさんから手紙を渡されました。今の仕事にはつらいこともあります。そんな時に、自宅のコルクボードに貼った手紙を見つめるそうです。新社会人に対する“入社1年間で定着させたい「新・23の行動習慣」”の3番目(心を込めた自筆のお礼状を出す習慣)が、直ぐに頭に浮かびました。

 こうやって書き出してみて、改めて気づかされたことがあります。それは、私たちの周りには、問題意識をチョット高めて観察すれば、自己啓発教材が散りばめられていることです。その気になれば、自問自答できるテーマ、掘り下げて考えたいテーマが、無尽蔵にあるということが分かってくるのです。
 いつ頃から新聞や雑誌の切り抜きを始めたのか、もう記憶には残っておりません。思い出せそうにありませんが、意識してスタートさせた訳ではないでしょう。小学校高学年の授業だったと思います。社会問題に関する出来事をいくつも切り抜いて、何らかの作品にしたことは覚えています。そんな時期から、興味を持った記事を切り抜いて保管していたのかもしれません。目的意識を持って切り抜きを始めたのは、昭和61年(1986年)10月以降になります。合併会社の専任教育担当を拝命した時からです。不惑の40歳を過ぎていました。切り抜いたものは、使い古しのコピー紙に糊付けをして、テーマ別にファイリングします。多い時でファイルボックス(以下、FB)20個分はありました。ここ10年間は定期的に整理整頓しておりますから、現在はスリム化して数個のFBに止めております。自己啓発教材は人それぞれでしょうが、私の場合は、新聞や雑誌の記事、書籍、録画したテレビ番組がメインでしょうか。内容でいえば、日々の社会の動きや出来事、仕事の進め方・あり方や方向性、心構えや判断基準などの考動理論、生き方や処し方につながる○○観(人生観、人間観etc)に関するモノが多いと思います。
 長年人事教育の仕事に携わって、日常の出来事の中にこそ本質的な問題が潜んでいると思うようになりました。その気になって感受性と問題意識のアンテナ感度をあげると、自己啓発の教材がイッパイあると自覚できるようになりました。その具体的な事例として、一年前の出来事を取りあげた次第です。そのあり方は人それぞれ十人十色で構いません。無知の知を素直に認めて、問題意識を働かせて自己啓発に努めたいと思います。
                                                       (2018.11.15記)

エッセイ178:“WELCOME”、いのうえ塾へ

 エッセイ178回は、前回177回で取りあげました『“WELCOME(ようこそ)”、いのうえ塾へ』(改訂3版)を、全文紹介したいと思います。私が担当します教育機会(主に数日間以上の研修)のオリエンテーションで、私の考えている進め方とその理由をまとめたものです。所要時間は20分前後で、補足説明を都度入れながら、考え方の理解と共有化を意識しながら進めております。

“WELCOME”、いのうえ塾へ

 ようこそ、いのうえ塾へ。
 私と皆さんは、これから数時間、数日間にわたりまして、時間を共有することになります。この出会いを、私はこう呼んでおります。
 “これからの人生を前進させる可能性がある不思議な縁の出会い”と。
 そこで、前進の推進力になるであろう心構えをプレゼントします。

 当塾の研修、訓練では、一人ひとりが目的意識を持って、自ら考え、自ら判断し、自ら取り組み、自ら行動するというセルフマネジメント力を発揮して、自分自身の潜在意識・潜在能力を引き出してほしいと考えております。
 このセルフマネジメントというのは、人間誰もが持っている欲求である自己実現を促進し、質を高めて個の充実を図っていくという、人間尊重が基本の考え方です。
 そのような理由から、この塾では、“一方的に教える、教えられる”という方法は、極力排除していきます。つまり、皆さんがこの塾に入ったからには、テキストや講話の内容を、受身の姿勢で教わるのではなく、これからの自分自身の人生(人間としての側面、社会人として側面、企業人としての側面)を有意義で価値あるものにするための行動理論・行動姿勢やヒントを自力で発見して頂きたいのです。出来る限り多くの考え方、見方、そして知識を学んで頂きたいのです。
 そのために、「問いかけ」「グループ討議」「発表と質疑応答」「グループワーク」「ロールプレイング」など、自己啓発・相互啓発の機会を用意しております。毎日の研修所感作成、マナーの徹底も同じ理由からです。いかにして、できるだけ多くの気づきやヒントを皆さん方自身のものにできるか、そして気づいたことを直ぐに行動に移したかどうかが、重要なポイントになって参ります。
 もう一つ、心の底から“ニッコリ ハキハキ ハイ笑顔”で臨んでください。顔を合わせたその時から、塾を後にするまでの全ての時間を、笑顔を絶やすことなく過ごしてください。これも参画の絶対的条件とさせて頂きます。

 そこで私は、皆さん方が学びやすくするための進行役・黒子役として参画させて頂きます。この塾の主人公は、皆さん方一人ひとりなのです。皆さん方自身が自主的に学んで頂くことが、前進への大きな推進力になるのです。

                           塾長:井上 和裕(平成23年10月31日記)

エッセイ177:私の教育担当としての転換点の一つ

 72才の誕生日から、ひと月ほど経ちました。30年近くも前のことになりますが、私の連れ合いが手相鑑定士に占って頂きました。家族全員の将来あれこれに関してだったようです。私については、“健康状態のこと”、“何才迄仕事を続けているか”など訊ねたそうです。
 病気に関しては、“当たっていた”と言えましょうか。手術もしました。しかし、非常に大雑把な見立てでしたから、“当たるも八卦、当たらぬも八卦”的な結果だったと感じています。“仕事は72才迄続けている”との見解だったそうですが、72才を超えても楽しみながら励んでおります。
 占い結果を伝え聞いた時は、笑って聞き流す程度の反応だったと思います。連れ合いは“八卦は当たる”派に近いので、病気も仕事に関しても、“当たっている”と一人悦に入っております。いずれにしても、占い結果への根拠に曖昧さを感じていますから、鵜呑みにして信じる訳には参りません。元来、私の占いに対する基本的な評価は、“当たるも八卦、当たらぬも八卦”です。私流の表現で申しあげるとすれば“(可もなし不可もなし+いいとこ取り)÷3.14”でしょうか。意味不明、優柔不断と受け取られそうですが……。
 楽しみながら今でも続けている仕事の領域は、採用と社員教育(人材育成)になります。多くの会社の要請に、私の現有能力で対処できる唯一の職域だからです。そうでなければ、疾うの昔にリタイアしています。現在でも対処可能な職務遂行能力に行き着いた道程は、基本と試行錯誤の弛まざる積み重ね、もう一つは愚直なまでの自己啓発の継続であったと思い返しております。そんな30有余年の間に、プロ教育担当としてのあるべき考動指針(思考&行動指針)、それも不易の考動指針を確立できたのはいつ頃だったのか、何がきっかけでそこに至ったのか、最近になって明らかになりました。メモ記録が残っていて、数か月前に研修教材を整理していた時に出てきたのです。
 今回のエッセイは、“仕事遂行上の考動指針はこれで行こう”と決めたきかっけを取りあげてみたいと思います。

私の教育担当としての転換点の一つ

 ターニングポイントという表現を使いたくなる時があります。転換点、分岐点、分かれ目という意味の英語です。特に、“人生における重大な”という言葉をつけることが多いと思います。そうであれば、ターニングポイントは幾度となくあるものではないでしょう。
 私のビジネスパーソン人生で、一番長い年月携わってきたのが人事教育分野の仕事です。1986年(昭和61年)10月から現在進行形で続けていますから、もう32年にもなります。今でも問題意識を働かせながら、ある程度自信を持って対処できるようになったターニングポイントとなる出来事が、メモ記録として残っていたのです。
 社員数600名強の会社に新設された教育部責任者として、無我夢中の10年間を終えたあたりから、それまでの社員教育のあり方に大きな疑問を感じるようになりました。考える余裕が出てきたこと、人材育成に関する方針が変更になったことなど、いくつかの要因があったと思います。
 それから数年間は、とにかく自己啓発に励みました。一から勉強し直しました。仕事遂行上参考になると思える書籍を、手当たり次第探しまくり、繰り返し読み漁りました。教育図書から著名人の著書、そして実務書など、これはと思えば積読しておきました。それらの半分以上は、今の時代にはそぐわなくなったことから処分しました。今でも手許に残している書籍は、私の決意と覚悟の証しなのです。
 最終的に、“この考動指針で行こう”と決断したのは、1999年(平成11年)1月10日(日)のことでした。その日の午前9時から、NHK教育テレビ(現Eテレ)でETV40周年記念番組が生放送されました。「日本の学校・ここを変えて!21世紀に生かせ子供たちの声」という14時間番組です。多くの著名人による“私の教育論”の発表、いくつかのテーマ討論などを通して、これからの日本の教育のあり方を考える番組でした。17時50分頃から40分ほど、当時の有馬朗人(ありま あきと)文部大臣の対談がありました。どのような形式で進められたのか、もう忘れてしまいました。また、どこまで正確な記述であるか自信はありませんが、私の心に響いた文言を書き留めていたのです。有馬大臣の経験談が、教育担当としてのあり方・方向性は“これで行こう”、と後押ししてくれました。居ても立っても居られないほど、気持ちが高ぶったことを覚えています。正に、この日が私のターニングポイントとなったのです。以下、書き留めたメモの一部になります。

  私は大学で教壇に立っていたが、一時間の授業をやるのに二日間準備をした。
  そして、授業の前には、準備したものを見ながらルールプレイングをした。
  次に、見ないで板書してやってみて授業に臨んだ。
  しかし、教えっ放しだった。理解度を調べなかったのは失敗だった。
  理解度については、採点に影響しないテストや口頭試問をやると良い。
  授業の評価は、時々生徒にきいた方が良い。良く解ったのか、楽しかったのか。
  併せて、関心度合いもきいたら良い。

 また、同じ時期、どなたの考えか定かではありませんが、多大な影響を受けた着眼点があります。

  『答えは一つではない』というモノの見方をしっかり教えたい。
  見方は、その角度、方向によって異なる。
  その理由
について、お互いが出し合って考え合うことで気づかせたい。

 研修などのOffJTにおける基本的あり方が固まったことで、具体的指針や方途が湧き出してきました。“早期着手”、“3カ月前準備完了”、“実施要領書の用意”、“全講義内容の暗記”(= 教材を見ないで対話する)、“ホームルームでの対話による振返り復習と口頭試問”、“理解度テストの実施”、“毎日の研修所感作成”、“アンケート実施”、“MY新聞作成”などは、その当時の問題意識から辿り着いた産物になります。
 もう一つ、ある試みをスタートさせました。私が担当する教育機会(主に数日間以上の研修)のオリエンテーションで、私の考える進め方とその理由を表明することです。A4版1枚にまとめた『“WELCOME(ようこそ)”、いのうえ塾へ』(エッセイ23/2012年8月11日掲載)を使います。20分かけて、行間にも触れながら考え方の共有化を意識して進めております。平成14年から始めて、現在の『“WELCOME(ようこそ)”、いのうえ塾へ』は改訂3判になりました。

 “今あること(結果)の理由や経緯(原因)は何か!”が明らかになるまでには、それなりの時間を要するものです。糸口となるのが、その当時の経緯・推移が何らかの形で残されていることも、大きなポイントになるでしょう。教材の中からヒョッコリと顔を出してくれたメモ記録に、理屈抜きに感謝しております。さらに、あれだけ追究することに没頭したことを、心から懐かしんでおります。私にとりまして、あの時の努力と試行錯誤が、仕事推進上の精神的余裕の一因になっていることも確認できました。まだまだ、否、ますます現役でいようと思います。
                                                                 (2018.11.3記)

ページ移動

to TOP

₢킹 vCoV[ TCg}bv

c