福祉分野と連携し、
高齢者の暮らしを守る
大釋里佳子 (だいしゃく りかこ)
岩手県盛岡市出身
2020年入社 上中島店
中田薬局に入社したきっかけは?
地域医療先進地・釜石で働きたい
子どものころ祖父母にかわいがってもらい、お年寄りと話すのが好きだったので、大学在学中から在宅医療に携わりたいと思っていました。
進路を考える中で、釜石は地域医療の先進地で、薬剤師と他業種との連携が進んでいることを知り、中田薬局でなかたシップ(インターンシップ)を受けました。
中田薬局の薬剤師はどんどん薬局の外に出て、在宅の患者さんのもとを訪問していました。お薬を配達するだけでなく、聴診器で患者さんの腸の動きを確認する様子を見て、驚いたことを覚えています。
今の仕事のやりがいは?
積極的に在宅患者を訪問。
福祉につなぎ、生活を改善
自分が考え行動したことが、患者さんの症状を改善させ、気持ちの安定にもつながることですね。あとは、やっぱり患者さんやご家族から感謝されるのもやりがいです。
薬局で高齢の患者さんと接していると、その言葉や行動の中に認知機能の低下や生活の乱れを感じることがあります。
そういう時は「今日、お家を訪問していいですか」と伺って、同意を頂けたら訪問します。そうすると、飲み忘れた薬が大量に溜まっていたり、室内が乱れていたり……1人での生活が大変な状況になっていることが実際に何度かありました。
地域包括支援センターに伝えたところ、すぐに保健師さんが動いてくれて、介護認定を受けてケアマネジャーが付き、デイサービスを利用するようになりました。サポートを受けられるようになったことで、生活が落ち着き、気持ちの面も安定してきたようでした。
患者さんと向き合う時には、病気を診るのではなく、その方の生活全体を見ることが、地域医療の中での薬剤師の大事な役目だと思います。
印象に残っている
エピソードはありますか?
多職種で見守り、
お年寄りの暮らしを支える
釜石は、独居または夫婦2人暮らしの高齢者が多い地域です。そういった高齢世帯の暮らしを支えるため、医療、福祉、行政の多職種が日常的に連携し、患者さんの情報を共有しながら動いています。
多くの目で見守り、万一何かあった時にも時間を置かずに気づけるよう、あえてそれぞれの職種が別々の日に訪問しています。
実際に2度ほど経験したことがあるのですが、お宅を訪ねたところ、高齢の患者さんが室内で転倒して起きられなくなり困っていました。
独居の方が転んで腕を骨折していたケースと、旦那さんが倒れて奥様は起こすことができなかったというケースです。
すぐにケアマネジャーに連絡を取り、救急車を呼ぶといった対応をすることができ、大事には至りませんでした。
医療従事者とはいえまだ経験が浅かったので、倒れているお年寄りを目の前にして自分は気が動転するのかと思ったのですが、意外に冷静に対処することができました。自分にはこういう面もあるんだなと新たな自分に気が付いたことを憶えています。
医療と福祉、それぞれの分野の人員は限られています。分野ごとに患者さんの暮らしを網羅するのは難しいですが、他業種がつながっていることで、多くの目が届くことを実感した出来事でした。
もしまた同じ場面に遭遇した時には、より迅速に対応するためにはどう行動すればよいだろう。常に考えるようになりました。
中田薬局の魅力とは?
主体的な行動を励まし支える社風
「行動することを大切にしていこう」という会社のスタンスがとてもいいなと思っています。新卒で入ったばかりのころは「これって私がやっていいことなのかな」とか「薬剤師ってここまでやるのかな」とか、ためらうこともありました。薬局にいらした患者さんのご自宅を訪問することもそうです。
そんな時、まわりの先輩薬剤師は「気になるんだったら、訪問してみればいいよ」「みんなでサポートするからやってみなよ」と背中を押してくれました。患者さんのことを思って行動することを全員が肯定的に捉えていて、行動する人を支える会社だと感じています。
これから挑戦したいことは?
処方箋なしでも
相談できる薬局づくり
「処方箋を持っていないのに薬局に行っていいの?」と地域の方から驚かれることがありますが、病院で処方箋を発行された時に限らず、もっと気軽に健康相談に来てほしいと思っているんです。だから、街なかで会った時でも患者さんから 声をかけてもらえるような相談しやすい関係性を作っていきたいです。
中田薬局では、設置している体組成計で筋肉量を測ればポイントを付与する「なかぴークラブ」というキャンペーンなどを通じて、気軽に足を運びやすい薬局づくりに取り組んでいます。
これからは地域の方々の健康づくりのためのイベントを自分が主体となって企画していきたいです。