interview

患者さんの声に
耳を傾け、医師に提案

大釋瞬

大釋瞬 (だいしゃく しゅん)

岩手県大槌町出身
2020年入社 松倉店

大釋瞬

中田薬局に入社したきっかけは?

実習の在宅医療で
「薬剤師はここまで出来る!」

大釋瞬

釜石市の隣りの大槌町出身で、東日本大震災をきっかけに薬剤師の仕事に興味を持ちました。祖父が津波で自宅を流され、服薬を中断したことで体調が悪化してしまったのですが、投薬を再開したらすぐに回復したんです。その様子を見ていて、薬について学びたいと思うようになり、岩手医科大学に進学しました。

正直なところ、進路を決める時期までは、薬局薬剤師は病院から出された処方箋通りに調剤しているだけという先入観があり、医療の現場に近い病院薬剤師に興味を持っていました。

しかし、5年生の時、中田薬局での実務研修で在宅医療の現場に同行させてもらう機会があり、薬局薬剤師に対する先入観が完全に覆されました。「薬剤師って患者さんのためにここまで出来るんだ!」と衝撃を受けたんです。地域医療の重要性が増していく中で、薬局薬剤師が果たせる役割に可能性を感じ入社を決めました。

大釋瞬

今の仕事のやりがいは?

薬のプロとして医師に提案。
薬が変わると生活が変わる

大釋瞬

自分が関わることによって、患者さんの生活が変わり、生活の質が向上することを実感できることです。例えば、薬を処方通りに飲めないために、通院しているのに症状や数値が改善せず、落ち込む患者さんが少なくありません。医師には服薬できていないことを伝えられない方が多いんです。そのため何度も検査を受け、薬を追加される場合もあります。

そんな患者さんが「実は毎晩お酒を飲むから、夜の薬を飲み忘れている」とか「薬が飲みづらくて……」と打ち明けてくれることがあります。医師の前では言えなかった患者さんでも、その声にじっくり耳を傾けることで信頼関係が築けてくると話し始めてくれるんです。

そういう場合はどのように対応するのですか?

患者さんがきちんと服用できる方法を医師に提案し、処方を変更してもらいます。1日3回ではなく1回服用の薬にするとか、口の中で溶ける薬に変更するといった方法があります。服用できるようになると体調や数値に現れてきます。

こういった提案は、実は医師たちからも感謝されるんです。治療のプロと薬のプロがそれぞれの専門から患者さんに関わることで、患者さんにとって最適な医療のサポートができます。

大釋瞬

印象に残っている
エピソードはありますか?

塩分制限を約束。
患者さんが初めて見せた笑顔に感動

大釋瞬

入社3年目で担当した在宅医療の患者さんです。その女性は週3回、人工透析に通っていたのですが、毎回透析中に具合が悪くなり、「こんなにしんどいなら、もう死んだ方がいい」と嘆いていました。

透析患者は摂取する水分量が体調に影響するため、調整がとても大事で、主治医やケアマネジャーも指導していましたが、高齢ということもあり、難しい状況でした。

どのようにかかわっていったのですか?

主治医に提案して、体調に影響している可能性がある血圧の薬を変更するとともに、水分を減らすには塩分制限が必要なので、ケアマネジャーに相談し、調理のサポートを入れて減塩の調味料を使うようにしました。

実はこの時、私自身も患者さんと同じように3ヶ月の塩分制限を約束して実行しました。周りからは「そこまでしなくても」と言われましたが、患者さんの大変さを感じたかったんです。患者さんは約束を守ってくれて、血液検査の値は改善し、体調を崩すこともなくなりました。最初は表情の乏しい方だったのですが、体調が良くなると笑顔を見せてくれるようになったのが印象的で、薬剤師でもこういうことができるんだと手応えを感じました。

大釋瞬

中田薬局の魅力とは?

薬剤師としてやるべきことをやれること

大釋瞬

一番大きいのは、やりたいことをやれること。薬剤師として自分がやるべきだと思う行動を起こせることです。薬をきちんと服用できているか心配な患者さんがいた場合、私たちは薬局をほかの薬剤師に任せて患者さんのもとを訪問しますが、これができる環境は決して当たり前のものではないと思います。

目先の会社の利益よりも「地域医療の担い手」としての役割を優先して考える経営者、そして患者さんのことを一番に考え、快く送り出してくれてくれる薬剤師とスタッフ。中田薬局全体で共通認識を持っているからこそだと思います。

大釋瞬

これから挑戦したいことは?

地域課題の脳卒中死亡を減らしたい

大釋瞬

釜石市は全国的に見ても脳卒中の死亡率がとても高い地域です。脳卒中による死亡リスクを少しでも下げるための取り組みをさらに進めていきたいと思っています。市内の医師とも連携しながら血圧管理の重要性を広げていきたいですね。地域医療を担う薬剤師として、予防という観点からも私たちにできることはたくさんあると思います。

大釋瞬

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