「薬局薬剤師は楽しい!」
生まれ育った釜石で
地域に恩返し
金野宏美 (こんの ひろみ)
岩手県釜石市出身
2001年入社 ハロー薬局勤務
中田薬局に入社したきっかけは?
薬局と言えば「中田薬局」。
自然な流れでUターン
大学を卒業して3年ほど東京の医薬品卸会社で働きましたが、「そろそろ地元に戻りたい」と思い始めた時、まず思い浮かんだのが、子どものころから家の近所にあり、なじみのあった中田薬局でした。
子どものころ、妹はアトピー性皮膚炎がひどく、薬がなくなると症状が悪化してしまうので、私が付き添って定期的に病院や薬局に通っていました。私が薬剤師になった原点は、このころの経験です。なので、Uターンするにあたって、子どものころから縁のある中田薬局で働こうと決めたのは自然な流れでした。
働き始めてみると、地域の方々と触れ合う機会が多く、「薬局って楽しい!」と思い始め、その気持ちは20年以上たった今も変わらないですね。
今の仕事のやりがいは?
育ててもらった地元で
お年寄りの暮らしを見守る
私の場合、やっぱりここが地元なので、自分が育ったまちで、自分たちを育ててくれた今のご高齢世代の皆さんを今後は自分が見守っている。そう感じることがやりがいですね。
在宅医療の現場では、患者さんにお薬を届けて説明するだけでなく、体温や脈拍、血中酸素濃度などを測り、その数値を主治医やケアマネジャーに報告し、医療と福祉とが連携して患者さんを見守っていきます。
この仕事に就いて初めて知り合う患者さんが大半ですが、中には親戚、友だちのご両親、子どものころから顔見知りの近所の人などが中田薬局を利用してくださり、私が担当薬剤師としてご自宅を定期的に訪問することもあります。
昔からつながりのある人もそうでない人もひっくるめて、自分を育ててくれたまちの人たちに少しでも恩返しができているのかなと思えるのはうれしいですね。
印象に残っている
エピソードはありますか?
ご家族にもっと……。
「命に向き合う」在宅医療
中田薬局では薬剤師以外の視点を見守りに生かすため、事務スタッフに在宅医療に同行してもらいます。その患者さんの場合も、私と一緒に何度か通っているスタッフがいたので、私が休みの日に臨時で薬が処方された場合は届けてもらうことがありました。
その患者さんは高齢の女性で息子さんと同居していたのですが、スタッフが伺った時に意識がもうろうとしていたそうです。驚いたスタッフは薬局に電話をし、救急車を呼ぶべきか薬剤師に相談しましたが、息子さんは「時々こういう状態になるから」と気に留めず、救急車を呼びませんでした。数日後にその患者さんは体調を崩して亡くなりました。
この経験から何を感じましたか?
少しでも異変を感じたら救急車を呼ぶよう息子さんに強く伝えるべきだったのではないか、とか、もっと自分にできることがあったのではないかと悩みました。
難しい判断を迫られるケースについて、私を含め薬剤師はもっと勉強しなくてはいけないと実感しましたし、職場内で判断の重要性について皆で認識を新たにしました。高齢の患者さんを見守る在宅医療は、生命に向き合う仕事なのだという自覚を強くしたできごとでした。
中田薬局の魅力とは?
患者さんと薬剤師との距離が近い
手前味噌ですが、薬剤師もスタッフも皆、人が良くて優しくて、職場全体がうまく回っている感じがして、とても働きやすいです。会長や社長が社員を大切にしてくれているのが私たち社員も分かるので、皆その思いに応えようと主体的に動けるのではないでしょうか。
もうひとつは、釜石の地域性もあるかもしれませんが、患者さんと薬剤師との距離が近いことです。患者さんも私たちも同じ釜石という地域で暮らしていて、地域で起きた良いことも悪いことも体験している先輩たちです。だからこそ、同じ地域に暮らす患者さんが最期まで家で過ごすことを望み、自分を頼りにしてくれるのであれば、その支えになれればと思います。
これから挑戦したいことは?
子どもや女性の
疾患予防活動に取り組みたい
中田薬局では、市内小学校の体操着のリユース活動や不要なタオルの回収や活用に取り組んでいますが、こういった地域活動をさらに発展させたいと思っています。地域貢献活動をしながら、地域の中でも信頼されて身近に感じてもらえる薬局づくりを進めていきたいです。
自分の思いとしては、これからは女性や子どもに特化して、リスクの高い疾患の予防に取り組みたいと思っています。日ごろの運動指導や生活習慣についてのアドバイスを通じて、社会の中で弱い立場に置かれることの多い人たちの力になりたいです。