エッセイ66:実行し続けることは立派な能力

投稿日:2014年6月20日

 前回のエッセイでは、寄る年波の実態を囁きました。
 その中で、“これでも、健康管理には相当に気を遣っている”ことを申しあげました。私なりの生活習慣病対策を行っているのです。本日は、その一端を披露させて頂きます。
 50歳代後半からは、起床就寝の時間帯が早くなりました。早寝早起きになったのです。三度の食事も、決まった時刻に摂るようになりました。食事バランスにも気を遣います。半年前からは、大好きなアイスクリームやケーキも、その頻度を大幅に減らしています。
 食事の順番も、野菜から始まって、汁物、蛋白質、最後に炭水化物にしております。野菜は、かなり意識して多くの種類を食べるようにしております。食わず嫌いだったトマトも食べられるようになりました。蛋白質も、植物性、魚、肉を基本順にしながら、強迫観念ではなく、気楽な気分で食べています。塩分は控え目です。
 ただし、料理は全て家内任せですから、バランスの良い食事や食材の工夫に対して、家内に感謝している次第です。
 日課として、腹筋20回、腿上げ左右各25回、爪先立ち20回、スクワット20回、深呼吸10回。
 ウォーキングは6千歩以上を目標に、階段や坂道を意識して組み合わせています。時々数分間の速歩を入れます。1分間120歩のペースで歩きますから、1時間前後で概ね6千歩はクリアしている勘定になります。
 これらは、冬の酷寒時期にはお休みしますが、無理のない範囲でやり続けております。
 今日のエッセイ、私の主宰する第13回学び塾(2月11日)の帰りに感じたことからつぶやいてみます。

実行し続けることは立派な能力

 五年目に入った学び塾ですが、過去13開催で全て参加の塾生が3名いました。
 会社によっては土日勤務の方もいらっしゃいます。学び塾の予定日と、勉強会や休日当番薬局の日程とがバッティングすることもあります。風邪や食中毒など、不測の病気に罹患することだってあります。今まではありませんでしたが、大雪や台風などの悪天候で、中止を余儀なくされることだって考えられます。
 学び塾は年間3開催を基本にして、年間計画で会場を予約しております。薬剤師会や所属企業の研修会と重なってしまい、中止せざるを得なくなったことがありました。また、片道3時間の移動時間を要する塾生もいますから、日程を急遽変更することも不可能なのが実態です。
 そのような状況の中で、開催数が少ないとはいえ、皆勤者が3名もいることに驚いております。

 この学び塾、平成21年8月にスタートいたしました。2回目の時点で、参加塾生は23名に増えました。それがピークでした。転勤、結婚、退職などによって、年々退塾者が出て参ります。現在(第13回時)は8名で継続しております。
 最近、ここまで続けてこられたことに、少々驚きを感じております。その驚きの根底には、8名の明らかな成長の姿が見てとれるからです。さらに、時間や距離の制約を乗り越えて、継続して学び続けていること、メンバーと切磋琢磨し続けていることに、新鮮な驚きを隠しえないのです。
 現実に目を向けると、いかに継続することが難しいことなのか、多くの場面で見てきました。6月8日(日)の第14回学び塾では、こんなことを問いかけてみたいと考えております。
 以下、考えております内容の一部をご紹介させて頂きます。

 私が、薬学生に、現役薬剤師に対して「どのような薬剤師になりたいのか?どのような人間を目指しているのか?」という問いかけは、薬剤師としての一生涯を、ライトワーク(患者、生活者の一隅を照らす仕事)を目標として掲げ、目指して欲しいと願っているからです。
 しかし、そこに行き着くまでには、先ず“ライクワーク(この仕事が好きだ)になれるかどうか”が、大きな関門の一つになってきます。それも、素直に、心の底からライクワークと公言できる段階に到達できるかどうか、ということになります。このことは、人間同士の真の信頼関係樹立と同様に、かなりの時間、年月を要するテーマになってきます。
 皆さんは、「この仕事、私に向いているのだろうか?やっていけるのだろうか?」という不安の中で、右往左往しながら仕事をし続けていた経験、今までにありませんでしたか?
 いろいろ考え過ぎて立ち止まったり、自信が持てなくてやる気を失って努力することを躊躇したことがありませんでしたか?優柔不断さや覚悟の未熟さから、キチンと向き合うことから逃げたり、投げ出したことはありませんでしたか?
私 の場合、40歳台半ばまでは、それを繰り返していたように思います。また、採用という仕事を通して、居場所を替え続けている人を何人も見てきました。
 結局、どのような選択をしようとも、自己責任の下で意思決定することですから、どの方向を選択しても構わないと思いますが、まだ一人前という免状を交付されていいない段階(未熟な段階)では、以下のように考えて欲しいと思います。

 「とりあえず、もうちょっと続けてみるか」が、一つのベターな選択だと思います。

 一番の理由は、仕事というものは、10年、20年続けてやって、そこで初めて分かる事、判る事が、ずっとずっと多いような気がするからです。本日申しあげた件も、私自身がそうでした。MYライクワーク、MYライトワークを意識したのが40歳過ぎでした。
 半年以上前だったでしょうか。ある一言を耳にして、納得したことがあります。
 「向いていないけど、続けるっていうのも才能よ」。
 NHKの朝ドラの「あまちゃん」で、鈴鹿ひろ美が主人公にかけた言葉です。
 その一言は、“継続は力なり”、“積み重ねは力なり”を結実する才能だからなのです。ですから、学び塾も同じだと思います。これから頻繁に取りあげるテーマの人材育成もそうです。続けて努力するからこそ、モチベーションが喚起され維持されるのです。成長につながるのです。
 ソチオリンピックでの葛西さん(スキージャンプ)、竹内さん(スノーボードパラレル大回転、回転)から、そのことを教えて頂きました。身近なところでは、三回目のコロキウムが証明してくれています。やはり、続けるからこそ意義が見いだされるのです。
だから皆さんには、続けることで意義がさらに深くなっていくことを感じて欲しいと願っております。

 実行し続けることは立派な能力です。最高の能力です。希少な能力です。私はそう思います。
 8名の塾生には、実行し続けていることに誇りと自信を持って頂きたいと思っています。

                                          (2014.3.15記)

最新の記事
アーカイブ

ページトップボタン