エッセイ333:WELCOMEいのうえ塾へ

投稿日:2025年7月23日

 こうやって呟く時に意識させられる文言があります。それは、「文句を言うより、意見を言おう」です。出会ったのは、20数年前に遡ると思います。どなたが発したのか、今では思い出せません。文句というのは、文言や歌詞の意味もありますが、この場合は“相手に対する言い分、苦情、不服”を指していると解釈しています。

 時々見かける光景ですが、ややもすれば、文句を含めた問題提起だけで終わっているケースです。それでは、無責任な逃避と変わりませんね。問題解決に至りませんし、当事者間に悪感情が芽生えてしまいます。大切なことは、問題と原因を明らかにし、対案を導き出して実行すること。つまり、PDCAサイクルをスパイラルアップすることです。そんな現状に苛立ちながら、目に留まったのが「文句を言うより、意見を言おう」でした。その文言をアレンジして、“文句・問題提起大歓迎、意見・対案列挙大々歓迎”を、研修時やチームの合言葉にしようと提案しました。

 さて、前回のエッセイ332回で紹介したオリエンテーションにおける井上流基本フローの「①歓迎の挨拶:WELCOMEいのうえ塾へ」について、数人から“その内容を教えて欲しい”との問い合わせがありました。早速、その全文を紹介したいと思います。活用・引用大歓迎です。

    EDUCOいわて・学び塾主宰/薬剤師 井上 和裕(2025.6.3記)

WELCOMEいのうえ塾へ

 ようこそ、いのうえ塾へ。

 私と皆さんは、これから数時間、数日間にわたって、時間を共有することになります。この出会いを、私はこう呼んでおります。“これからの人生を前進させる可能性がある不思議な縁の出会い”と。そこで、前進の推進力になるであろう心構えをプレゼントしたいと思います。

 当塾の研修、訓練では、一人ひとりが目的意識を持って、自ら考え、自ら判断し、自ら取り組み、自ら行動するというセルフマネジメント力を発揮して、自分自身の潜在意識・潜在能力を引き出してほしいと考えております。このセルフマネジメントというのは、人間誰もが持っている欲求である自己実現を促進し、質を高めて個の充実を図っていくという、人間尊重が基本の考え方です。

 そのような理由から、いのうえ塾では、“一方的に教える、教えられる”という方法は、極力排除していきます。つまり、皆さんがこの塾に入ったからには、テキストや講話の内容を、受身の姿勢で教わるのではなく、これからの自分自身の人生(人間としての側面、社会人として側面、企業人としての側面)を有意義で価値あるものにするための行動理論・行動姿勢やヒントを自力で発見して頂きたいのです。出来る限り多くの考え方、見方、そして知識を学んで頂きたいのです。

 そのために、「問いかけ」「グループ討議」「発表と質疑応答」「グループワーク」「ロールプレイング」など、自己啓発・相互啓発の機会を用意しております。毎日の研修所感作成、マナーの徹底も同じ理由からです。いかにして、できるだけ多くの気づきやヒントを皆さん方自身のものにできるか、そして気づいたことを直ぐに行動に移したかどうかが、重要なポイントになって参ります。

 もう一つ、心の底から“ニッコリ テキパキ ハイ笑顔”で臨んでください。顔を合わせたその時から、塾を後にするまでの全ての時間を、笑顔を絶やすことなく過ごしてください。これも参画の絶対的条件とさせて頂きます。

 そこで私は、皆さん方が学びやすくするための進行役・黒子役として参画させて頂きます。この塾の主人公は、皆さん方一人ひとりなのです。皆さん方自身が自主的に学んで頂くことが、前進への大きな推進力になるのです。

        塾長/薬剤師:井上 和裕(改訂3版:2011年10月31日)

最新の記事
アーカイブ