今回のエッセイ284回は、“合宿のすすめ”シリーズの第二便エッセイ283回の続きになります。合宿研修の受講者の感想から、合宿の意義を考えてみました。
合宿のすすめ ~ 合宿研修イイネ!(2-2)
Eさんは、何物にも代え難い大切な宝物を得ました。それは、同期の仲間たちです。そう実感してくれたことが、何にも増して嬉しく思いました。
★社会人のスタートとして、この同期12人で笑い合い、一緒に考え共鳴し合えた時間は、とても大切な宝物になりました。他では味わえなかったであろうこの“時間”と“絆”を今後のエネルギーとして、自分自身を成長させ続けていきたいと思いました。
皆さんが、私が意図する合宿研修の目的を、キチンと受け止めてコツコツ努力してくれました。MさんとGさんは、正直な思いを吐露してくれたのです。
★研修内容は、ずっと講義を聞いているという受動的なものではなく、“自ら考え、皆で話し合い、発表する”という能動的な研修でした。言語力に弱い私は、文章の朗読、自分の考えを上手に伝える、漢字を書く、発表する、…など大変なことが、たくさんありました。皆の前で話す2分間スピーチや発表は、毎回緊張でいっぱいいっぱいでした。しかし、同期の皆のおかげで頑張れました。この研修では、皆の良いところを探そうという思いが強かった気がします。そう思えたのは、「人は一人では生きていけない」ということや、「自分の身近なところに目標を置こう」ということを学んだおかげだと思っています。そして、井上部長はじめ尊敬できる上司、先輩、同期に出会えたことも宝です。本当に充実した2週間でした。研修に協力して頂きました皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。どうも有難うございました。
★今回の研修では、グループ討議を数多く行いました。最初の頃は、自分の意見を伝えるので精一杯でした。自分の考えを分かりやすく伝える難しさ、個々の考えをまとめる難しさ、効果的・効率的に進行する難しさを感じたり、失敗を重ねていくうちに、“次はこうしよう”と自分で考えて工夫していく力が、自然と身についていくように感じました。また、グループ討議をしていくうちに、薬剤師としての基礎である「話す、考える、書く」ことも、研修前よりはスムーズに行えるようになったと思います。このような自分自身の内面の変化は、実際に経験したからこそ見つけられたものであり、“少しは成長した”と実感することが出来ました。一番大切なことは、「自分を教育していく責任は自分にある」ことだと思います。今回学んだこと、感じたことを、自分の人生に行かせるかどうかは自分次第です。まずは、基本的なことからコツコツと実践していきたいです。
Rさんは、私が常に発している修破離の重要性に気づいてくれました。真のプロフェッションへの道を、倦まず弛まず地道に歩んでくれる気がしています。
★私はこの研修を経て、本当に色々なものを学び得ることができました。一つ結論を述べますと、やはり基本が大切なのだと感じました。まず人間としての基本(マナー、姿勢、コミュニケーション能力、自助力、挨拶、克己心、倫理観、社会的常識など)が必要となります。そこからビジネスパーソンとしての基本(PDCAサイクル、報連相など)が必要となります。それができた上で、薬剤師としての基本となる調剤技術や服薬支援の基礎を学んでいくことができます。基礎が根底となることで応用に繋がって、はじめて真のプロになれる。この研修は、総合的にそのことを教えてくれました。
前回と今回のエッセイでは、8人の声を紹介しました。薬学部四年制卒の新社会人時代のものです。この時の初心と初志を胸に刻んで、各職場の中心で励んでいることでしょう。これらのコメントは、合宿だからこその内容だと確信しています。40年近い人材育成の仕事を通して得た経験則からの自己評価になります。合宿のすすめ第三便は、最終版として合宿のリスク対策を取り上げる予定です。
EDUCOいわて・学び塾 主宰 井上 和裕(2023.6.8記)