エッセイ239:Boys be ambitious の真意探求

投稿日:2021年10月6日

 エッセイ236回では、「文言のキセルを見直そう」と提案しました。そのきっかけとなった一つが、どなたもご存知の“Boys be ambitious(日本語訳:少年よ大志を抱け)”でした。

 Boys be ambitiousは、明治時代の初期、札幌農学校(現在の北海道大学)に校長として招かれたアメリカのウィリアム・スミス・クラーク博士(1826~1886)の共感性の高い文言です。帰国に際して、見送る生徒に対して残しましたが、今なお語り継がれています。その全文と日本語訳に出会ったのが、3年ほど前になります。その場で、“少年よ大志を抱け”という表現だけを鵜呑みにしていた自分自身を恥じてしまいました。正に、文言のキセルを平気で実践していたのです。先ず、クラーク博士の言わんとする真意を理解しなくては、人として、教育担当として失格という結論に至りました。

 昨年、新カリキュラム作成に際して、Boys be ambitiousの全文を訳して、その真意を考えて発表するミニカリキュラムを企画しました。しかし、新型コロナウイルスの影響で未実施の状態です。陽の目を見ることを願っております。そこで、Boys be ambitiousの全文を紹介したいと思います。英語が不得手の方は、日本語訳に挑戦してみましょう。是非、その真意に近づいてください。今の時代にこそ知って欲しい、共鳴度の高い文言ではないでしょうか。

Boys be ambitious の真意探求

 Boys be ambitious.

 Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, 

        not for that evanescent thing which men call fame.

 Be ambitious for the attainment of all

                 that a man ought to be.

 ちなみに、いのうえ塾新入社員導入研修の初日では、「人生の門出にあたって」いう単元で、人生の諸先輩から七つのメッセージを差しあげております。順番に紹介しましょう。“その一;健康第一”、“その二;人生七転び八起き”、“その三;石の上にも三年”、“その四;人事を尽くして天命を待つ”、“その五;備えよ常に”、“その六;心に太陽を、くちびるに歌を”、そしてアンカーが“その七;少年よ大志を抱けBoys be ambitious)”となります。さらに、それぞれに解説文を付け加えております。

 今後は、全文を紹介して、正しい真意を探求する機会にしたいと考えております。そうすることが、クラーク博士に対するリスペクトの表現なのだと思います。

    人財開発部   井上 和裕(2021.7.26記)

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