エッセイ217:課外プロジェクト:私の改善点を教えてください

投稿日:2020年11月5日

 本質を理解するために、繰り返して学び直すことにしております。それが私の学び方です。そのような理由からも、基礎教育においては、理解するまで復習することを奨励しております。私が運営する研修のホームルームの三分の一は、どうしても理解しておきたい本質的課題の復習に使います。ケースバイケースではありますが、考え方の本質の理解には、それ相応の時間を要するものです。“一度話してオーライ”、“一度聞いてオーケー”と言う訳にはいきません。繰り返すことで、その重要性の認識が高まるとともに、本質の理解度もアップするのです。

 復習で大切なことは、一方的に同じことを繰り返すのではなく、正にここが教育担当者としての腕の見せ所になります。私の場合は、応答の対話で、自力で記憶を引き出す進め方を定番にしております。そのためには、問いかけの引き出しの数と質が成否を左右します。正しく、答は問いに依存するからです。引き出しの数を増やし、質を高めるためには、想像力を動員した不断の努力しかありませんね。手法としては、事前課題を提示するやり方(いわゆる宿題)もあります。

 本質的課題という意味では、“自分自身を知る”ということもその一つだと思います。看脚下や人生哲学を明らかにすることは、“自分自身を知る”ことでもあります。その一助として、数年前からある課外プロジェクトを行っています。エッセイ217回は、その紹介となります。

課外プロジェクト:私の改善点を教えてください

 この企画は、新社会人1年目の節目目前の2月に実施しております。配布資料の一部を紹介しましょう。

 次回の新入社員フォロー研修までに、次のような課題に取り組んで頂きたいのです。それは、皆さんの友人、上司・部下・同僚、家族の方々に、次の質問をお願いして、それぞれの方々から率直な回答を頂くことです。『私はどんな点を改善したらよいでしょうか?』、『あなたとの人間関係で、私はどんな点を改善したらよいでしょうか?』と、勇気を持って質問してみてください。どのような回答が返ってくるか分かりませんが、その内容が面白くなくても、議論したり、弁解したり、反論をしたり、自分を正当化してはいけません。『ご意見どうもありがとうございました。とても参考になります』と、必ず感謝の言葉を伝えてください。

 この課題は、必ずやってください。難しいことかもしれませんが、実行してみてください。返事が直ぐに返ってこないかもしれません。「特にありません」と言われることもあるかもしれません。そのような場合には、改めて考えて頂くようにお願いをして、後日回答を頂きましょう。回答内容は、必ずメモにとっておいてください。その結果については、次回のホームルームで教えて頂きたいと思います。

 このプロジェクトは、会社と家族の両方に質問すること、会社の場合は上司には是非お願いすること、それぞれ最低1名として、人数の上限を設けないことにしました。課題の理由を訊かれることもあるでしょうから、事前に回答を用意する(=事前準備をする)よう方向付けしております。また、主旨を理解して頂けない方に対する対処法については、参考例として、いくつかのトーク例を申し添えています。

 同様の課題に、私自身も取り組みました。その経験からも、以降の人生のあり方を見直すヒントが得られる格好の企画だと思います。

        井上 和裕(2020.6.20記)

 

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