性格に関する一考察~性格は状況に応じて評価が変わる

投稿日:2020年9月7日

 変え難いと思われている性格ですが、考え方(判断基準、心構え、思考習慣、因果理論等)を正して行動を改め続けていれば、それまでと違った性格評価を頂くことがあります。大雑把ではありますが、家族からの“性格が穏やかになったネ”などは、その代表格でしょうか。ですから、変え難い性格ですが、その気になれば変えられると思うのです。また、性格そのものを、ポジティブ(=可)とネガティブ(=否)という二分類で済ましているケースが多いようにも見受けられます。それでは、良し悪しの評価だけで終わってしまい、考える葦にとって不似合いな思考停止状態に陥ります。どのような性格でも、その時々の状況に応じてプラスになり得る可能性があると思うのです。ですから、自分自身はもとより、関わりのある仲間の性格をよく知って、その時の状況に応じてどう活かすかということも、信頼と安心のコミュニケーション樹立には欠かせない要素だと感じております。つまり、性格も考え方次第でプラスにもマイナスにもなりますし、変えることも可能なのです。人生経験を積まれている年配者は、そんな着眼点を持ち合わせたいと思います。

 さて、ここからは私の性格の自己診断です。これを参考に自己診断に挑戦してください。性格の自己診断、そして生き方や考動指針の再構築も、陽転(プラス)思考で新型コロナウイルス禍からの賜り物と思うようにしております。

 “❶引っ込み思案で消極的”、“❷悲観的で悪い方に考えてしまう”、“❸頑固で自分の非を認めようとしない”、“❹諦めが悪く引きずってしまう”、“❺せっかちで落ち着きがない”、“❻我が儘で独りよがりに陥ってしまう”、“❼神経質で細部に拘ってしまう”、“❽対他競争が嫌で譲ってしまう”……。私自身の性格的側面を、あれこれ分析した結果評価です。周りの人との相対評価もあれば、絶対評価もあります。年齢によってその強度に違いがありますし、その時々の状況によって、いくつかの性格が混じり合っていることもありました。

 いずれにしても出てきたのは、一般的にはネガティブなものばかりです。その良し悪しは別にして、自分の性格を意識するようになったのは、小学校から中学校にかけてだったと記憶しております。だからと言って、日々の生活で(すごく)困ることもありませんでしたから、性格を変えようという発想はありませんでした。しかし、“このままでは駄目だ”と意識するようになったのが、親元を離れて大学に入学してからでした。社会人になってからは、仕事上の失敗や目標未達、対人関係がうまくいかないこともあって、その要因が私自身の性格に因るところが大きいことが分かってきました。30歳半ばで部下を持つようになった時期と重なります。そんな時に、二泊三日のマネジメント研修の冒頭で学んだあることが、以降の私のあり方の転機になりました。(E森号外編Ⅱ④“行動理論から考動理論へ”参照)以来、公私にわたって考え方(判断基準、心構え、思考習慣、因果理論等)を意識しながら、何事にも対処するようになりました。私が主宰します教育機会では、その必然性を必ず提起しております。

 ここで、私の長所にも触れておきましょう。“①準備万端整える”、“②与えられて引き受けたことは、納得するまでやり通す”、“③時間を要しても、コツコツ積み重ねることを厭わない”……。掘り下げて考えてみると、①は❷❼があっての因果関係なのです。②③は、❶❹❸❻が入り混じっての結果だと思えるようになりました。ネガティブな性格も、見方を変えて裏返しにすれば、長所へ変身できると実感できるのです。こうやって長いスパンで私自身の考動習慣を客観的に検証すれば、性格だって良い方向へ改めることができることが分かりました。今回のエッセイを、性格は変え難いという先入観を払拭する機会にしたいと思います。頑固さだって、自分の非を素直に認めさえすれば、“粘り強く最後までやり通す人”という好感度になるのです。このような発想で、自身の性格分析を陽転(プラス)思考で楽しんでみませんか。

   井上  和裕(2020年9月6日記)

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