東日本大震災の時は、今よりもずっと気丈で、何かをしなければならないという意識が強かったこともあって、あれこれ呟き続けておりました。今回は、フットワークの衰えが顕著なこと、精神的な落ち込みがかなり大きいこともあって、思考力や問題意識も後退りしてるのが実態です。気持ちの余裕がないのです。何とももどかしく情けない状態が続いています。
そんな中、少しだけ気力を振り絞って、殴り書きの日記風メモを始めました。1月下旬のことです。ある出来事をきっかけに、3月からは毎日書き出しました。感じたこと、気づいたこと、主観的な本音、感情的な思い、少しでも客観的な問題意識など、言葉を飾らずにストレートにメモしております。9年前も、かなりの量のメモを書き残しており、最近その一部を読み返してみました。そこに書かれていた内容が、何年か経過して役立ったことがあり、そんな記憶が蘇ったのかもしれません。書き出すことで、気持ちが楽になっていると感じることもあるのです。
メモの多くは、不安やストレスに対する弱音です。恥ずかしくてお見せできませんが、正直に弱音を吐き出しています。私の蚤の心臓は、様々な感情と思いで揺れ動いていますが、このままでは私の心がやられてしまいそうになります。一方で、踏ん張りどころという気持ちは消えていません。
皆が同じ状況の中、ある友人は“こんな時は、好きな音楽を聴いてください。音楽最高です”というメールをくれました。“落ち込んでいるのは、新型コロナウィルスのせいだ”と認めて、その事実を受け容れるようにしている、という知人もいます。私は、離れた家族との普段着の会話に助けられています。LINEのテレビ電話の助けを借りて、ほとんど毎週四元中継を楽しむようにしております。そうやって、身近な友人・知人と、弱音も含めた心境を率直に披露し合い、その上でお互いが励まし合うことで、心の落ち着きが戻ってくると思うのです。
3月10日前後だったと思います。聴きなれたある曲が、私の心に潤いを注入してくれました。シンガーソングライターのイルカさんが作詞・作曲した「まあるいいのち」です。制作経緯は判り兼ねますが、想像力の羽根を思いっきり拡げて、その意味することを考えてみました。命の大切さを歌にした「まあるいいのち」は、このような時のために認(したた)めた作品のように感じたのです。
ぼくから見れば 小さなカメも アリから見ればきっと 大きなカメかな?
みんな同じ生きているから 一人にひとつずつ 大切な命
ぼくから見れば 大きな家も 山の上から見れば こびとの家みたい
みんな同じ地球の家族 一人にひとつずつ 大切な命
ぼくから見れば 東と西も よその星から見れば 丸くてわかんない
みんな同じ宇宙の仲間 一人にひとつずつ 大切な命
二つの手のひらほほにあてれば 伝わるぬくもり まあるいいのち ラララ…
10数年前に入手したこの曲のCDを、昨日も聴きました。それだけで、私の気持ちは、かなり安らいできました。一時だけでも、不安が鎮まってきました。詩には不思議な力があるように思います。そういえば、9年前に私の心を支えてくれた詩の一つが、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」だったことを思い出しております。
在宅業務には慣れている私ですが、今回はメンタル面の落ち込みがどうしても気になってしまいます。不調を追い払うための名案はなかなか出てきませんが、少しでも心を落ち着けて、自己満足的妙案ならぬ迷案を、考えては実践したいと思います。新型コロナワクチンができるまで、この戦いは続くのでしょうから!
(2020.4.11記)