会社にとっては新年度、学校においては新学期になりました。一年間の節目ですから、新たな目標を掲げて、その目標達成に向かってスタートする時期でもあります。
しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、世の中の風景は別世界の様相を呈しております。弊社でも、4月1日から予定しておりました新入社員導入研修を延期とし、入社式のみ執り行いました。
また、このような状況下でのホームページのエッセイを、このひと月半の間ためらいながらも掲載しておりました。どうしたら良いのか、今でも決めかねております。当面は、内容を吟味しながら、不定期になりますが掲載したいと思います。200回を超えたエッセイは、元来1年から数か月前に呟いたものを掲載しておりました。その関係で、内容がリアルタイムではない場合も出てまいります。そのような経緯があることもご理解頂きましたら幸いでございます。今後とも、宜しくお願い申しあげます。
さて、私は74才間近の高齢者です。いくつか持病もあって、日によっては、体調が優れない時もあります。そんな私ですから、新型コロナウィルスのことを知ってから、日々の状況の変化に、右往左往しているのが実態です。そんな毎日が、2か月以上も続いています。恐縮ではありますが、今の心境などを、特別エッセイとして紙面を割かせて頂きたいと存じます。
暗いニュースが続いています。致し方ないと分かっていても、なかなか消化できませんね。
不安で不安で…、気が滅入ってしまう、心身の調子が思わしくない、ストレスが増大している、いつまで耐えられるだろうか、食事がおいしくない、…… 。私自身の正直な姿ですが、知人や友人との会話でも、同じような声を聞かされます。未知の新型ウィルスですから、セルフコントロールできないことと割り切ってしまえば、少しは心が落ち着くのかもしれません。私には、そのような気持ちの切り替えができそうにありませんから、ストレスが徐々に右肩上がりになってしまうのです。しかし、いつまでも弱気のままでは、精神的に参ってしまいます。そんな中で、“この状況を何とかしよう”と、覚悟と使命感を持って対処されている多くの方々がいらっしゃいます。そんな実情を目の当たりにして、自分自身にできることを、危機感を持って精一杯実践するしか道はない、と考えるようになってきました。
今、私なりに努力していることを、書き出してみます。
一つは、医療の最前線にいる医療従事者、検査などのサポートをされている方々、休む暇なく対処されている行政・保健所・関係者の皆さん、各種介護施設・保育施設・教育現場の多くの関係者など、確固たる覚悟を持ってこの事態と戦っている方々に対して、言葉に尽くせない畏敬と感謝の念を持ち続けることを、常に意識するようにしております。自分本位になりそうな、弱い私自身への戒めです。ごみ収集、電気、ガス、上下水道、道路維持、郵便・宅配業者などライフライン維持業務従事者もそうです。また、暗い雰囲気を払拭しようと努力されて方々もいらっしゃいます。世の中の多くの仕事に対して、感謝しなければならないと思います。様々な現場の過酷さと重圧の中での叫びに、時として涙が出そうになります。頑張れなんて、軽々しく言えません。医療崩壊しないように、死者を出さないように尽力されている方々が数多くいらっしゃるのですから。3月に入ってから、近くのお地蔵様で手を合わせるようになりました。信仰心の希薄な私ですが、私にできることとして通い続けております。
次は、私自身と家族が実践していることです。それらの目的は、感染しないための行動、感染拡大しないための行動に徹することです。私が感染すれば、感染源としてウィルスを撒き散らすことになります。私以外の方にご迷惑をおかけすることは許されません。感染しないための行動、感染拡大しないための行動に徹することは、“終息するまでの最優先課題だ”と、強く認識しております。
具体的には、“①不要不急の外出はしない”、“②手洗い・うがいの励行”、“③外出時はマスクを着用する”、“④三つの密(密閉空間、密集場所、密接場面)を避ける”、“⑤毎日の健康チェック(朝・夕の検温、風邪に罹らない工夫など)”、“⑥規則正しい生活(食べる、睡眠他)”などです。
また、抵抗力維持のために、散歩するようにしております。自宅周辺は、元来人通りが少なく、歩行者に出会うことがまれな裏路地も多くあります。密集を避ける道順を、あれこれ考え選びながらの散歩です。
新型コロナウィルスが終息する時期は、全く見当がつきません。専門家の指摘する“長期戦を覚悟しましょう。この問題は他人事ではありません”ということを、私自身に言い聞かせて乗り切るしかありません。危機感をシッカリ持って、対応するしか道はありません。
どれだけ耐えられるか、どれだけ我慢できるだろうか。日に何度か、気分が乱れて、脈拍数が高じることがあります。今の私に自信はありませんが、家族や身近な知人と励まし合いながら向き合おうと思います。同じ思いの多くの皆さんの存在を信じることで、心が安らぐ時を保つことができそうに感じております。
井上 和裕(2020.4.3記)