エッセイ343:何をおいても大切な着眼点は“WHY(何故・目的)”

投稿日:2025年12月19日

  *エッセイ343回は、11月初旬に書き上げたものです。

 2025年(令和7年)も、残すところ60日を切りました。この時期になりますと、いつの間にか今年を振り返っている私がおります。70才代前半までは考えられなかった11月の年間行事になったようです。この傾向は、心のどこかで、あの世への旅立ちを感じている兆候ではないかと思う時があります。ある意味、年を重ねる過程の一里塚の一つであり、仕事から離れた高齢者の自然な姿なのかもしれません。

 2月半ばからは、体調の優れない日が多かったと感じております。日によって症状や程度は異なりますが、ほぼ毎日といっても過言ではありません。これまでとは異なる新たな不具合がいくつか出てきましたし、体重も数㎏ほど減った期間もありました。私の病気履歴書は、その気になって記録すればかなりの行数で埋まるでしょう。その都度クリニックのお世話になれば、医療費がかさんでしまいます。それにしても、症状次第では、不安が先に立って、何かにすがりつきたくなることがあります。何年か前であれば、何とか自力で対処できたことも、喜寿を過ぎてからは手に負えないことが急激に増えてきました。だからこそ、かかりつけ○○○の存在意義が輝きを増してくるのだと思います。

 仕事環境も同じだと思います。どうにも対処できない時、正面から向き合って相談できる人の存在は有難い以外の何物でもありません。私の場合、同輩や年下の同志の存在が大きかったと思います。職位の壁を取り払った日常の真面目な雑談を通して、目の前の課題解決に切磋琢磨したことが思い出されます。その様な経験の積み重ねが、学び塾の立ち上げやエッセイによる問題提起への道を切り拓いてくれました。今回のエッセイは、私が相談事と向き合う時、何をおいても外せない着眼点を呟いてみたいと思います。

何をおいても大切な着眼点は“WHY(何故・目的)”

 最初に申しあげておきたいことがあります。今回のテーマは、ご存知の方が多い課題解決の基本のキです。一方、非常に重要な基本でありながら、平成時代あたりから見向きもされずに片隅に追いやられているように感じているテーマだということです。

 今回取り上げる課題解決の重要な基本のキは、どなたもご存知の6W3Hです。仕事を進める上での定石といわれていたPDCAサイクルを支える双子の定石といえましょう。6W3Hの中には、PDCAサイクルをスパイラルアップするために特に重要な着眼点が三つあります。それは、WHAT(何を/対象・目標)、WHY(何故/理由・目的)、そしてHOW(どのように/方法)です。その中で、絶対外してはならない大切な着眼点があって、WHYというのが私の見解です。

 先ず、そのような見解に至った経緯に触れておきましょう。私が54才で転職してからの20年間、5つの会社で採用と社員育成の仕事に携わりました。その中で、5社に共通する“このまま放っておけない”と感じた改善点があったのです。日常の業務の中では、事後に活動結果の評価・分析・検証を行います。PDCAサイクルのCHECKですね。その際、肝心なことを棚上げして、枝葉のCHECKに終始していることが多かったのです。一番重要なことは、取り組んだ活動の目的が達成されたのか、その評価となった要因は何なのかを明らかにすることではないでしょうか。事の大小にかかわらず、目指す活動の原点は、“何のためにやるのか、何故着手するのか”という理由の存在です。目的は何かということです。WHYを差し置いてのCHECKに対して、直接警鐘を鳴らしたことが何度もありました。活動目的(WHY)の客観的な評価・分析・検証が行われて、はじめて的を得たWHATやHOWの評価・分析が可能になります。次の階段へと駆け上がることにつながります。このことは、職種や職務、そして年齢に関係なく大切なことであり、公私を問わず身につけておきたい着眼点ということも付け加えておきます。仕事の進め方が変わろうとも、常に意識しておきたい着眼点だと思います。

 実は、このことを改めて実感させてくれたのが、山本周五郎(1903年~1967年)の短編小説「雨あがる」でした。

  EDUCOいわて・学び塾主宰/薬剤師 井上 和裕(2025.11.5記)

【参考】6W3Hとは:WHAT、WHY、WHEN、WHO、WHOM、WHERE、HOW、HOW  MANY、HOW  MUCH。

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