明けましておめでとうございます。
一年前は、新型コロナウイルス禍で気付かされたことをいくつか取りあげて、令和3年のエッセイをスタートさせました。その中で特に実感したのが、“健康であることの有難さ”でした。ここ数年は、体調の優れない日々の多さに振り回されておりますから、私的実感度はダントツのトップかもしれません。さらに、閉塞感が漂う自粛生活が続いたせいもあって、心的側面にも計り知れないほどの大きな影響がありました。10年前までは、全く考えられなかったことです。
そのような状況下で、世の中を構成する様々な対象に対する感謝の念を持ち続けて、少しでもポジティブ思考で乗り越えることを提案しましたが、如何だったでしょうか。家族を始め身近な知人と気軽に情報交換しながら、心の潤滑油にすることもお奨めしました。この二年間、あれこれ頑張ってきた自分自身への応援歌として苦労話を披露し合いませんか。自分自身の努力や我慢を“良し”として、そんな自分を遠慮することなく褒めてみましょう。そのような対話を通して、身近な方々と励まし合いましょう。そうすることで、新たな希望が灯ってくれると思うのです。そう信じて、あるがままの自然体でGOしましょう。
さて、この数年間は、コミュニケーションのあり方を考えさせられる場面が多かったような気がします。勤務形態や仕事のあり方が変わろうとも、避けては通れない課題ではないでしょうか。新年のエッセイは、スルーされている感の強いコミュニケーションの基本を取りあげてみます。令和4年は、本気で安心と信頼のコミュニケーションのあり方を再構築する年にしませんか。本年も宜しくお願い申しあげます。
ホウレンソウを小まめに植えましょう
1988年に遡ります。“真の活性化人間はかくありたい”という強い願望意識のもと、「人材から人財への旅~なんてったってアイドルになる具体的17ヵ条」を作成しました。「マネジャー必須の行動指針」(小橋邦彦・著/産能大研究所)を参考にして、部下を持つマネジャー向けの行動指針として手掛けたものです。マネジャー向けとしてスタートしましたが、部下の有無に関係なくどなたも活用できるように、MY行動指針として修正・加筆・追加を奨励した記憶が残っております。今回は、その第6条を取りあげてみたいと思います。タイトルは“ホウレンソウを小まめに植えて、水やりを怠らない人”です。
多くの方がご存知ではないでしょうか。ホウレンソウとは、報告・連絡・相談の略になります。野菜のほうれん草にかけて、“ホウレンソウを小まめに植えて、水やりを怠らない人”という表現にしました。当時から、コミュニケーションのあり方は、活き活きとしたマネジメント実現の基本課題として横たわっていました。その基本の土台として、報連相を行動指針として登場させたのです。その内容の一部を紹介しましょう。
仕事を進めるうえでの定石が、P-D-C-Aサイクルである事は、御存知の通り。しかし、どの段階でもしばしば障害物にぶち当たる事があります。そこで大切なのが「イツデモ、ドコデモ、ダレニデモ、ホウレンソウ」を小まめに植える事です。理屈なんていりません。時々水やりをしていれば、成果となって現れてきますし、ミスがあっても最小限で食い止める事が出来ます。そして、結果的にあなたの上長への補佐機能を果たす事につながってくるのです。 *悪い事、言い難い事ほど、至急至急!!
組織運営の基盤はチームワークです。仕事の進め方が変わろうとも、成果につながるチームワークの基本は、報告・連絡・相談なのです。“ホウレンソウを小まめに植えて水やりを怠らないこと”は、時代が変わろうとも、肝に銘じておきたい活性化した組織運営の基本ではないでしょうか。
人財開発部 井上 和裕(2022.1.3記)