続々・不安やストレスを鎮めるために ~ 心の健康を保つノウハウを考える

投稿日:2020年4月24日

 新型コロナウィルスとの戦いは、始まったばかりです。ワクチンも治療薬もありませんから、出口の見えないトンネルの中にいることになります。罹患された方々の声や様子が何例も紹介されるようになって、不安や恐れの強度が増してきたように思います。長期戦になりますから、自粛の中で心の健康をいかにして保つかは、大きなテーマになってきます。今回は、在宅業務における心の健康を保つノウハウを考えてみたいと思います。

 

 私の在宅業務は、2004年秋にスタートしました。以来16年間、会社の考えや私の事情に即応して、在宅業務を続けております。最初の5年間は福島県の会社で、正規社員として自宅(盛岡市)と会社を一週間おきに行き来するやり方でした。この10年間は、自宅をメインの仕事場として、研修などの教育機会と採用業務は、現地(釜石市)に出向くのが基本パターンです。職務内容から、一定の要件をクリアすれば、両社ともに在宅業務は可能でした。働き方改革という発想ゼロの時代でしたが、職務分掌さえ明確であれば、仕事場を固定することは問題外なのです。私の仕事の場合は、固定することでの無駄の方が大きかったですね。5年間の経験から学んだ考え方やノウハウをベースにして、今回のようなケースでの在宅業務のあり方を考えてみたいと思います。ストレス削減はもちろんのこと、業種・職種を問わない汎用性を意識した持続可能な内容を追求したいと思います。

 先ずは、スケジュール表を作成することです。当たり前と思われるかもしれませんが、環境に馴染むまでの必須アイテムなのです。通勤時間がゼロになり、寝食する場がオフィスになるわけですから、仕事環境は様変わりです。スケジュール化は、心の健康保持の基本中の基本というのが、私の経験則なのです。けじめという視点でも、スケジュール表は心の助っ人となるでしょう。

 私は、月次スケジュール週次スケジュールで対応しました。大まかなスケジュール表でしたが、結果として規則正しい生活に結びつくのです。60点主義の規則正しさでしたが、仕事でも生活でもリズムを保つことができました。もう一つ、一日の基本的時間割もキーとなります。例として、4月6日(月)掲載の「不要不急の外出しない~ある日の私の一日」をご参照ください。

 今回のような期限の見えない在宅業務では、身体を動かす、音楽を聴くなどのリラックスタイム、気分転換タイムも必須アイテムでしょう。自分の好きなことをやる時間を取り入れることで、心の緊張がほぐされます。また、食事時刻、入浴時刻、起床時刻・就寝時刻なども、日次の時間割に組み込んでおきたい大切なことですね。60点主義の規則正しい生活は、心の健康を保ってくれるように思います。

 再度申しますと、ある程度の規則正しいリズミカルな生活は、緊張状態を和らげてくれますバランスのとれた食事を心がける余裕が生まれます。それも、100点満点を意識するのではなく、60点オーライ(all right)精神で良いのです。今回のような状況下で完璧を目指したら、ストレスがさらに増してしまい、スケジュール化の意味がなくなってしまいます。このスケジュールマネジメントは、2004年から5年間の体験から学んだことです。自分自身の任務が明確で、課題が明示されていれば、仕事場がどこであれ、働き方は創意工夫できるものです。大まかで構いませんから、自分に合った時間割があれば、余計な不安やストレスから解放されます。

 もう一つ、気をつけておきたいことがあります。毎日、新型コロナに関するニュースが、朝から晩まで流れています。気をつけたいのが、不安解消のために、ついついずっと見続けてしまうことです。最近までの私がそうでした。不安や恐れ解消のために、最新の情報を得ようとします。チャンネル探しをします。気がつけば、そのために多くの時間を費やした上に、不安がさらに増大してしまうのです。情報は大事ですが、収集時間帯(例えば、朝と晩とか)を決めて時間割に組み込んだ方が良いと思います。

 さて、在宅業務のあり方と一口に言っても、業務内容、家族構成、家族の就業実態、個別事情など、十人十色ですね。結局、それぞれに応じた具体的なあり方を考えなければいけません。これを契機に、仕事のあり方が様変わりする元年になるような気もしております。その気になれば、妙案は浮かびます。私たちは、考える葦であり、環境に適応する能力を持っていますから。

    井上 和裕(2020.4.24記)

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