interview

薬のプロと介護の
プロがともに支える!
釜石の在宅ケア

鳩岡貴士

鳩岡貴士 (はとおか たかし)さん

医療法人楽山会 はまゆり在宅介護支援センター
ケアマネジャー(主任介護支援専門員・介護福祉士)

鳩岡貴士

中田薬局の薬剤師と
どのように連携していますか?

震災を機に連携の重要性を実感。
日々相談し合う関係性

鳩岡貴士

ケアマネジャー(介護支援専門員)として、釜石市内で暮らす要支援や要介護の方々の介護プランの作成や利用する介護サービスなどの調整を担当しています。実は、釜石で高齢者の支援にかかわる介護や医療の関係者は、東日本大震災直後の避難所運営を経験していて、福祉や医療の多職種連携がいかに重要かを、ものすごく強く感じたんですよね。

以来、ケアマネや介護福祉士、薬剤師が一緒になって勉強会を重ね、顔の見える信頼関係を築いてきました。懇親会の場では、夜遅くまでざっくばらんに本音を語り合ったものです。

中田薬局の薬剤師の皆さんには、在宅訪問に同行してもらったり、電話で相談に乗ってもらったり。日常的に情報共有しながら、ともに利用者の生活をサポートするチームです。

ケアマネは、介護を必要とする方の情報を総合的に検討し、適切なサービスにつなぐ仕事。情報が何より大切です。利用者が服用している薬のことはもちろん、通院状況や生活環境も把握している中田薬局の存在は大きいですね。

鳩岡貴士

印象に残っているできごとはありますか?

介護する家族も支える。
ともに挑戦できる信頼関係

鳩岡貴士

以前、私が担当する高次脳機能障害の利用者さんの支援に関して、中田薬局の薬剤師と2人で毎晩、頭を抱えながら試行錯誤したことがあります。

その方は胃ろうによる栄養摂取が欠かせない状態で、在宅で介護を受けていました。胃ろうの最中に自分でチューブを外してしまうため、奥さんが1日3回、ずっと見張っているよう医師から言われていました。でも、その奥さんは仕事を生きがいにしていて、働き続けたいという意志をお持ちだったんです。

私は、患者さんだけでなく、介護する人の人生を守ることがケアマネの使命だと考えています。このケースでは「家族の生活を支えよう」という思いを薬剤師と共有し、奥さんの負担を減らすために、短時間で栄養を取れる方法を試行錯誤しました。

様々な方法を試す中で、利用者さんがチューブを外して部屋中を汚してしまったり、奥さんが日常的に処置するには難しかったり……なかなかうまく行きませんでした。結果的に、保険制度が改訂されたことで問題は解決し、奥さんは仕事を続けることができました。

私たちの仕事は、利用者や家族の願いを実現するために、時には挑戦も必要です。信頼関係を築いているからこそ、一緒に挑戦することができる。同じ思いを共有し、一緒にチャレンジする異業種がいてくれることは、本当に心強いことです。

鳩岡貴士

中田薬局の魅力は
どんなところだと思いますか?

すぐに駆けつける行動力と専門性

鳩岡貴士

何と言っても行動力ですね。相談すると、中田薬局の薬剤師はいつもすぐに動いてくれて、在宅の利用者のもとに駆けつけてくれます。そして、私たち介護職とは別の着眼点から利用者の生活を診て、私たちは気づかないことに気づかせてくれます。

あと、もちろん薬のプロとしての専門性を頼りにしています。新たに介護認定を受けた方の住まいを訪ねると、1年分くらいの飲み忘れの薬が溜まっていることや、複数の医療機関から処方された薬が混在していることがあります。そういった場合には、薬の整理や薬に関する情報の整理をお願いしています。

鳩岡貴士

これから一緒に取り組みたいことは
ありますか?

IT化を進め、連携を加速

鳩岡貴士

高齢者支援の現場は、まだまだIT化が遅れています。利用者に関するデータの共有など効率化を進めることで、サービスは向上し、他業種の連携もよりスムーズになると思います。IT導入によってスタッフも働きやすくなると思うので、介護と薬局とで一緒に勧めていきたいですね。

釜石の高齢者支援のIT化を進め、若い人たちがわくわくするような魅力ある仕事にしていきたいですね。

鳩岡貴士

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